生誕100年 ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 ベートーヴェン交響曲第2番&第4番(60’s)
2008年は、20世紀が生んだ最大の指揮者(最高かどうかは別)、ヘルベルト・フォン・カラヤン(1908-1989)の生誕100年に当たります。
モーツァルトと同じザルツブルグに生まれたカラヤンは、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団とウィーン国立歌劇場の音楽監督に就任し、「帝王」の異名を取りました。
また、録音技術にいち早く注目し、レコード・ビジネスの確立に大いに貢献。また儲からないものの代名詞でもあるクラシック音楽をも莫大な富を生み出す手段に変えることに成功しました。
そうした生き方も含めて賛否両論あるカラヤンですが、カラヤンの膨大なレパートリーの中でもとりわけ賛否両論なのがベートーヴェン。ドイツ系ではないカラヤンのベートーヴェンは王道からは外れたものであり、ドイツ音楽の総本山でもあるベルリン・フィルの音楽監督のベートーヴェンとして適当なのかということが問われもします。
カラヤンは、1950年代にフィルハーモニア管弦楽団と、1960年代、70年代、80年代にベルリン・フィルハーモニー管弦楽団と、計4度もスタジオ録音による「ベートーヴェン交響曲全集」を完成させています。
今日は1960年代の「ベートーヴェン交響曲全集」から、交響曲第2番と第4番のCDを紹介します。ドイツ・グラモフォン・レーベル。
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の第4代音楽監督に就任したカラヤンによる入魂の演奏。晩年とは違う、カラヤンの若々しい音楽(といってももうすでに50代ですが)とベルリン・フィルの威力が印象的。
音楽そのものが持つダイナミズムよりもオーケストラの威力が目立ち、また音のドラマよりも造形を優先させた演奏で、音楽よりもベルリン・フィルの音を感じさせてしまうところもありますが、交響曲第2番と第4番の場合は、それもまた魅力になっています。
ベートーヴェンよりも「カラヤン」を強く感じさせるため、ベートーヴェン愛好家には推せませんが、オーケストラ演奏の面白さを知りたい方にはお薦めです。
| 固定リンク | 0
コメント