繰り返される音の波 「エッセンシャル・マイケル・ナイマン・バンド」
ミニマル・ミュージックの名付け親とされるマイケル・ナイマン。もともとはクラシック畑の作曲家ですが、ピーター・グリーナウェイ監督とのコンビで、映画音楽の作曲家として有名になりました。
最近は、抒情的な作風へと移行しているナイマンですが、このアルバムに収められた、グリーナウェイ監督とのコラボレーション時代は、短い音型をこれでもかこれでもかとばかりに繰り返す「ミニマル・ミュージックの鬼」ともいうべき作風を示していました。
「エッセンシャル・マイケル・ナイマン・バンド」(アーゴ)という名のこのアルバムには、「英国式庭園殺人事件」、「ZOO」、「数に溺れて」、「コックと泥棒、その妻と愛人」、「プロスペローの本」の音楽と、グリーナウェイ監督の初期短編映画のための音楽である「Watet Dances」を収録。映画のオリジナル・サウンドトラックではなく、マイケル・ナイマン・バンドのコンサート用に編曲された楽曲を録音したオリジナル・アルバム。「エッセンシャル・オブ・マイケル・ナイマン」ではなく、「エッセンシャル・マイケル・ナイマン・バンド」というタイトルなのはそのためです。
音楽における繰り返しの面白さを示した好アルバム。マイケル・ナイマンの音楽やミニマル・ミュージックへの入門盤としても適しています。
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