エフゲニー・スヴェトラーノフ指揮NHK交響楽団 チャイコフスキー交響曲第5番、「スラブ行進曲」
長年に渡りロシア国立交響楽団(ソビエト国立交響楽団)の指揮者を務め、ロシア音楽界の顔の一人として、またたびたびの来日で知られたエフゲニー・スヴェトラーノフ(1928-2002)。
晩年のスヴェトラーノフは、NHK交響楽団の指揮台にほぼ隔年で招かれ、数々の名演で日本の聴衆を魅了しました。
今日紹介するのは、1997年9月5日にNHKホールで行われた、NHK交響楽団第1328回定期演奏会をライブ収録したCD。NHKの放送用音源をキング・レコードがCD化。曲目は、チャイコフスキーの交響曲第5番と「スラブ行進曲」。
実は私は、この演奏が収録された翌日、1997年9月6日の定期演奏会を聴いています(NHK交響楽団は同一プログラムの演奏を2回行う)。日本のオーケストラによるものとは思えないほど重厚感のあるパワフルな演奏が繰り広げられ、スヴェトラーノフとN響の相性の良さがわかる優れた演奏会でした。
チャイコフスキーの交響曲第5番第2楽章を演奏する前にスヴェトラーノフは客席の方を向き、「アンダンテ・カンタービレ、イン・メモリアム・プリンセス・オブ・ウェールズ,ダイアナ」と英語で語り、1週間前に亡くなったイギリスのダイアナ妃追悼のための演奏とすることを告げました。
NHK交響楽団首席ホルン奏者の松崎裕のソロが素晴らしかったこともあり、感動的な演奏であったことを憶えています。
この9月5日の演奏もやはり松崎裕のソロが素晴らしく感動的な仕上がり。この日も、第2楽章直前にスヴェトラーノフのスピーチがあったようですが、CDでは残念ながらカットされています。
第2楽章のみならず、交響曲第5番は全曲を通しての名演。
「スラブ行進曲」もスヴェトラーノフの演奏スタイルの決まり文句であった「重戦車のような」がピタリと嵌った好演です。
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