ジョージ・セル指揮クリーヴランド管弦楽団 ワーグナー「ニーベルングの指輪」ハイライト
アメリカの一地方オーケストラに過ぎなかったクリーヴランド管弦楽団を全米トップ5の座にまで押し上げたジョージ・セル。
セルの持ち味は自らが鍛え上げたクリーヴランド管弦楽団の技術を生かした明晰な音楽作り。やや誇大妄想的で濃厚なワーグナーの音楽とセルの音楽性は水と油のようにも思えますが、セルの個性がワーグナーの毒を中和しており、聴きやすい演奏になっています。
「ニーベルングの指輪」ハイライト(ソニー・クラシカル)は、1968年、セルの死の2年前の録音。楽劇「ニーベルング指輪」の有名曲をオーケストラだけで演奏したCD。
アメリカ的なゴージャスで明るい音色と迫力を持つ、爽快なワーグナー。「爽快なワーグナー」というと妙な感じもしますが、ドイツ本流の演奏を「ドロドロとしていて苦手」、「ナチスとの関連を感じさせて嫌だ」と感じる人は、こうした演奏を聴いてみるのも良いと思います。
長大な楽劇「ニーベルングの指輪」入門用のCDとしてもお薦めです。
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