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2008年3月31日 (月)

ロリン・マゼール指揮クリーヴランド管弦楽団 プロコフィエフ バレエ音楽「ロメオとジュリエット」全曲

20世紀が生んだ最高のバレエ作品といわれる、セルゲイ・プロコフィエフ作曲の「ロメオとジュリエット」(シェイクスピアの原作は「ロミオとジュリエット」ですが、シェイクスピアが活躍した英国がクラシック音楽大国ではなかったためか、クラシック作品のタイトルとしてはイタリア語の読みの「ロメオとジュリエット」が普及しています)。
バレエ作品の初演というと、チャイコフスキーの「白鳥の湖」やストラヴィンスキーの「春の祭典」のように、大失敗に終わったり、大混乱に陥ったりというが多いのですが、プロコフィエフの「ロメオとジュリエット」だけは例外で、1940年に行われた初演は大成功。「ソヴィエト文化史上に残る記念碑的作品」とまで賞賛されました(その代わり、初演に漕ぎ着けるまでの道のりが大変だったのですが)。

プロコフィエフらしい刺激的な響きとロマンティックで甘美なメロディーを併せ持つ「ロメオとジュリエット」。初演を行ったのはキーロフ劇場(マリインスキー劇場)で、マリインスキー歌劇場管弦楽団を指揮したゲルギエフ盤も良い出来ですが、まずは、ロマンティシズムと刺激的な響きのバランスの良いマゼール盤(DECCA)を推薦しておきます。

ロリン・マゼール指揮クリーヴランド管弦楽団 プロコフィエフ バレエ音楽「ロメオとジュリエット」全曲 1973年の録音。1970年に亡くなったジョージ・セルの後任としてクリーヴランド管弦楽団のシェフの座に就いたロリン・マゼールのクリーヴランド時代を代表する音盤。

クリーヴランド管弦楽団の技術力と卓越した音色を生かし、且ついかにもマゼールらしい才気とリズム感の良さを加えた演奏で、プロコフィエフの「ロメオとジュリエット」という作品に人々が求めるであろう要素が全て入っています。DECCAの録音も最近のものと比べても遜色がないほど優秀で、膨大なディスコグラフィーを誇るロリン・マゼールの代表盤といっても差し支えないほどの仕上がりです。

プロコフィエフ/Romeo & Juliet: Maazel / Cleveland.o

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