ヴァーツラフ・ターリヒ指揮チェコ・フィルハーモニー管弦楽団 スメタナ 連作交響詩「わが祖国」
スメタナの連作交響詩「わが祖国」。わが祖国=チェコの風景と歴史を音楽で描いた傑作です。第2曲である「モルダウ(ヴァルタヴァ)」は単独でも演奏される有名曲。
チェコの音楽ということで、チェコ音楽界の最高峰であるチェコ・フィルハーモニー管弦楽団の名演には事欠きません。カレル・アンチェル指揮の録音、ヴァーツラフ・ノイマン指揮の数種の録音、「チェコのカラヤン」ことヴァーツラフ・スメターチェクの録音、ラファエル・クーベリックがチェコ動乱以後初めて母国に帰ってチェコ・フィルを振った「プラハの春音楽祭」での歴史的録音、更に日本人指揮者として初めて「プラハの春音楽祭」のオープニングで「わが祖国」を振った小林研一郎の録音など。
ただ、そうした多くの録音を抑え、私が最も気に入っているのはヴァーツラフ・ターリヒが指揮した1954年の録音。モノラル録音であり、経年劣化もあって音の彩りや豊かさはその後の録音に一歩譲りますが、ターリヒの指揮のスケールの大きさと、チェコ・フィルの渋い輝きを感じさせる名盤。
今なお「チェコ・フィルはターリヒの時代が最高だった」と語る人は多いようですが(昨年までチェコ・フィルの首席指揮者を務めていたズデニェク・マーツァルもその一人)、そのターリヒの時代のチェコ・フィルの素晴らしさを知るのに最適の記録です。
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