パーヴォ・ヤルヴィ指揮バーミンガム市交響楽団 「レナード・バーンスタイン管弦楽曲集」
パーヴォ・ヤルヴィが、録音当時に首席客演指揮者を務めていたバーミンガム市交響楽団を振った「レナード・バーンスタイン管弦楽曲集」(ヴァージン・クラシックス)を紹介します。
丁度10年前、レナード・バーンスタインの生誕80年に当たる1998年の録音。
ということで、今年が生誕90年に当たるレナード・バーンスタイン(愛称:レニー)。指揮者は長生きが多いので、生きていても不思議ではないのですが、レニーの場合は生来病弱だった上に、ヘビースモーカーでアルコール中毒、不摂生で不眠症に悩まされていた、というわけで長生きは出来ず、1990年に亡くなっています。
「ウエストサイド・ストーリー」を始めとするミュージカル、3曲の交響曲、ロックを取り入れたミサ曲など、作曲家としても大活躍したレニー。本人はどちらかというと、指揮もする作曲家のつもりであったようです。
それでも生前は、指揮者としても名声が作曲家としてのそれを大きく上回っており、特にシリアスな作品は十分には理解されない傾向にありました。しかし、没後、レニーが作曲した作品の再評価が進んでいます。レニーが教育熱心であり、弟子達が師であるレニーの作品を現在も演奏し続けているということもレニー作品再評価を後押し、20世紀後半のアメリカを代表する作曲家の座まであと一歩と迫っています。
このCDの指揮者、パーヴォ・ヤルヴィもレナード・バーンスタインの弟子の一人。指揮者としてはパーヴォとレニーの間に共通項は少ないものの、パーヴォも師の音楽を共感を持って奏でています。
バーミンガム市交響楽団は、いかにもイギリスのオーケストラ的な落ち着いた(悪くいうと地味な)音色を持っていて、レニーの作風には合っていないかも知れませんが、パーヴォのドライブにより健闘しています。
「プレリュード、フーガとリフ」、「ファクシミル」、「ウエストサイド・ストーリー」よりシンフォニック・ダンス、「オーケストラのためのディベルティメント」を収録。
「プレリュード、フーガとリフ」は、旋律の一部が「妖怪人間ベム」の主題歌冒頭(♪ 闇に隠れて生きる~)に偶然にも似ていて笑ってしまいそうになります。
「オーケストラのためのディベルティメント」で、オーボエがベートーヴェンの交響曲第5番第1楽章のソロを奏でますが、これは偶然ではなく明らかなパロディです。
バーンスタイン (1918-90)/West Side Story Etc: P.jarvi / Ciry Of Birmingham So
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