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2008年4月 3日 (木)

観劇感想精選(32) ミュージカル「アルジャーノンに花束を」

2006年3月9日 大阪厚生年金会館芸術ホールにて観劇

大阪へ。西区にある大阪厚生年金会館(ウェルシティ)芸術ホールで、ミュージカル「アルジャーノンに花束を」を観る。
原作はいわずと知れたダニエル・キイスのベストセラー小説。脚本・作詞・演出は宝塚歌劇団所属の荻田浩一。出演は浦井健治、安寿ミラほか。

32歳だが、幼児並みのIQしか持っていないチャーリー・ゴードン(浦井健治)。チャーリーはビーグマン大学が行うある実験に参加を希望する。その実験とは、手術によってIQを向上させるというものだった。手術は成功。「これで、難しいこともわかる」とチャーリーは喜んだのだが……。

浦井健治はミュージカル界の新星、安寿ミラは宝塚の元トップスター、宝塚歌劇団所属の演出家・荻田浩一の脚本・演出、ということで、役者が売りの、女性受けのする豪華で甘口のミュージカルに仕上げてあるのかな、と予想していたが、どうしてどうして、脚本も演出も音楽もしっかりしており、感動させられる。ネズミが走る回し車と運命の輪を重ねたようなセットもシンプルながら効果的だ。
俳優陣は歌声も演技も理想的。いずれもあまり仰々しくないのが良い。

そして何といってもストーリーだ。主人公であるチャーリー・ゴードンに自己投影してしまう人が多く驚いたと、原作者のダニエル・キイスは書いているが、私もチャーリーについつい自分を重ねてしまう。チャーリーの人物造形はそれほど良くできているのだ。

客席はやはりほとんどが女性で占められていたが、人間の尊厳や存在意義にも関わる深い内容を持つ作品なので、男性にも薦められる。

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