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2008年5月31日 (土)

これまでに観た映画より(23) 山中貞雄監督作品「丹下左膳余話 百萬両の壷」

DVDで1935年制作の日本映画「丹下左膳余話 百萬両の壷」を観る。天才と呼ばれながらわずか28歳(数え年で29歳)で夭逝した山中貞雄監督の満25歳時の作品。大河内傳次郎主演。出演は喜代三(きよぞう。またの名を新橋喜代三〈しんばし・きよみ〉。のちの中山晋平夫人である)、四代目沢村国太郎(長門裕之、津川雅彦の父親)、花井蘭子、深水藤子ほか。大映京都制作。右目と右腕のない剣豪・丹下左膳を主人公にしたコメディー時代劇。カットされた大立ち回りのシーン(ただし音声はなし)も含めた完全版。

「丹下左膳 百萬両の壷」は、津田豊滋監督、豊川悦司の主演でリメイクされているが、やはりオリジナルの方がずっと面白い。大河内傳次郎の丹下左膳は腕は立つが普段は駄目男という丹下左膳像が良く出ているが、トヨエツの場合は駄目男をやらせても格好良すぎて笑えないのである。

当時、当代一の芸者として鳴らし、歌手としても活躍していた喜代三の歌と演技も素晴らしく、江戸女の粋を見事に再現している。

山中演出はシーンの飛ばしや、セリフの間の置き方が絶妙で、観ていて大笑いしてしまうシーンも多数。25歳でこれだけの映画を取ることの出来た山中の早世が今更ながら惜しまれる。

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