リッカルド・ムーティ指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 モーツァルト交響曲第39番&第25番
1941年、ナポリに生まれた指揮者リッカルド・ムーティ。現役の指揮者としては人気・実力ともにトップクラスであり、特にイタリアオペラを指揮させたら天下一品です。
しかし、コンサート指揮者としては評価こそ高いものの、「これぞムーティ」という演奏は案外少なく、クラシック好きでも思い浮かべられるのは、フィラデルフィア管弦楽団時代に録音したレスピーギの「ローマ三部作」やスクリャービンの「交響曲全集」などに限られてくると思います。
フィラデルフィアを離れてからのムーティの最高の成果というべきは、やはりウィーン・フィルハーモニー管弦楽団と録音したモーツァルトの交響曲の数々ではないでしょうか。
今日はその中から、モーツァルトの交響曲第39番と第25番をカップリングしたCDを紹介します。フィリップス・レーベル。
世評は交響曲第25番の演奏の方が高いようなのですが、第1楽章の単に速いだけのテンポが個人的には気に入っておらず、交響曲第39番の演奏の方が遙かに優秀であるように思います。
その交響曲第39番の演奏ですが、ウィーン・フィルのふっくらとした美音を生かした最高水準の出来で、これほど美しい第39番の演奏は滅多にありません。
ピリオド奏法を生かした等身大のモーツァルトも勿論面白いですが、ムーティとウィーン・フィルのような豊かな音色による天国的な美しさをたたえた演奏にも抗しがたい魅力があり、一度は耳にしておきたい演奏です。
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