たぎる血の惨劇 森山未來主演 「血の婚礼」
2007年5月に東京・新大久保の東京グローブ座で上演されたアトリエ・ダンカン・プロデュース「血の婚礼」を収録したDVDを紹介します。TBSの制作、ポニー・キャニオンの販売。
「血の婚礼」は、フランコ独裁政権下で殺害された、スペインを代表する詩人、フェデリコ・ガルシア・ロルカが書いた戯曲。韻文が多用されていたり、月の成りをした人物が登場するなど、そのままでは、少なくとも現代の日本で上演することは難しい作品です。
台本と演出を手掛けた白井晃は、多くのセリフをカットし、ダンスの場面を数多く取り入れています。「血の婚礼」の“血”には少なくとも3つの意味が掛けられていると思いますが、そうした血を表すには言葉よりもダンスの方が説得力があります。たぎる血は言葉よりも肉体により近しく、ダンスを生かした情熱と因縁と愛の迸りが見事です。
音楽は渡辺香津美を起用。渡辺は舞台上でギターを奏で、その熱い演奏も極めて効果的です。
原作:フェデリコ・ガルシア・ロルカ、台本・演出:白井晃、主演:森山未來、ソニン、出演:尾上紫(おのえ・ゆかり)、江波杏子、岡田浩暉、池谷のぶえ、陰山泰、浅見れいな、新納慎也、根岸季衣。
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