讃歌としてのレクイエム サー・サイモン・ラトル指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団、ベルリン放送合唱団ほか ブラームス 「ドイツ・レクイエム」
サー・サイモン・ラトル指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団、ベルリン放送合唱団、ドロテア・レシュマン(ソプラノ)、トーマス・クヴァストホフ(バリトン)によって演奏された「ドイツ・レクイエム」のCDを紹介します。EMIクラシックス。
マルティン・ルターがドイツ語に訳した「旧約聖書」と「新約聖書」をテクストに、ヨハネス・ブラームスが作曲した「ドイツ・レクイエム(ドイツ語によるレクイエム)」。
ブラームスらしい堅固な構造を誇る曲ですが、ラトルはベルリン・フィルから温かくも柔らかな音色を引き出し、異色ともいえる天国的な演奏を繰り広げています。
ライナーノーツでラトルは、「ドイツ・レクイエム」について「『人間のレクイエム』だ」と述べており、神による人間救済との解釈の一端を示していますが、演奏はラトルの意図をも超えたものであり、神と人間の讃歌ともいうべき崇高な音楽に仕上がっています。
他の「ドイツ・レクイエム」の演奏に比べると軟派に聞こえるためでしょうか、評論家筋からの評価は必ずしも高くない演奏ですが、これを秀演かどうかを決めるのは個々の問題であり、新時代の「ドイツ・レクイエム」として多くの人に聴いて貰いたいCDです。
ブラームス/Ein Deutsches Requiem: Rattle / Bpo Roschmann Quasthoff (国内盤)
ブラームス/Ein Deutsches Requiem: Rattle / Bpo Roschmann Quasthoff (輸入盤)
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