芸名を付け損ねた男
日本では、苗字と名前から各2文字ずつ取って愛称にするということが良くあります。
「エノケン(榎本健一)」、「キムタク(木村拓哉)」、「トヨエツ(豊川悦司)」など、有名どころを挙げていくとキリがありませんが、省略形が発音しづらい場合は、こうした愛称が付くことは当然ながらありません。
欽ちゃんこと萩本欽一は、苗字と名前から2文字ずつ取ると「ハギキン」になりますが、「ハギキン」というのは発音しづらい。しかし、エノケンに代表されるように、コメディの世界では省略形の愛称があることが人気者の証だと考えていた欽ちゃんは、師匠に相談して、呼びやすい「ササキン」になるように、「佐々木欽一」という芸名を考えて貰いました。
しかし、ご存じの通り、欽ちゃんは佐々木欽一を名乗ることはありませんでした。それは、周りに、「今度から名前が佐々木欽一に変わりました」と一々触れて回るのが面倒やら照れくさいやら、ということだったようです。
ということで、佐々木欽一という名前の人気者は現れることなく、萩本欽一は本名で活躍しているうちにブレークして、「欽ちゃん」の愛称で人気者になりました。
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