« コンサートの記(13) マリス・ヤンソンス指揮ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団来日演奏会京都公演2006 | トップページ | @nifty テーブルサッカー »

2008年6月16日 (月)

ヘルベルト・ブロムシュテット指揮シュターツカペレ・ドレスデン ブルックナー交響曲第4番「ロマンティック」

1927年、スウェーデン人の牧師の子としてアメリカに生まれ、スウェーデンで教育を受けた指揮者、ヘルベルト・ブロムシュテット。80歳を超えた今も瑞々しい音楽を作る名匠として、そしてNHK交響楽団の名誉指揮者として日本でも高い人気を誇っています。

ブロムシュテットが最初に注目を集めたのは、当時の東独のオーケストラの最高峰と目されていたシュターツカペレ・ドレスデン(ドレスデン国立管弦楽団、ドレスデン国立歌劇場管弦楽団とも表記される)の首席指揮者として活躍していた時期(1975-1985)。
無理のないオーケストラコントロールと誠実にしてしなやかな音楽作りは好意的に迎えられましたが、一部で「凡庸」との評もありました。

ヘルベルト・ブロムシュテット指揮シュターツカペレ・ドレスデン ブルックナー交響曲第4番「ロマンティック」 今日紹介するブルックナーの交響曲第4番「ロマンティック」(DENON)は、シュターツカペレ・ドレスデン時代のブロムシュテットの最良の成果の一つです。

シュターツカペレ・ドレスデンは、1548年創設というとてつもなく長い歴史を誇るオーケストラ。1548年といえば、日本はまだ室町時代です(ザビエルらがキリスト教を日本に広めるために鹿児島に上陸したのが翌1549年のこと)。
独特の渋い輝きを持つシュターツカペレ・ドレスデンのファンは多いのですが、歴代のシュターツカペレ・ドレスデンの指揮者の中で、最も美しい音を引き出したのがブロムシュテット。

「ベートーヴェン交響曲全集」や「シューベルト交響曲全集」の出来を聴いてもブロムシュテットが凡庸な指揮者でないことは明らかですが、このブルックナー交響曲第4番「ロマンティック」における尋常ならざる美音を聴いても、ブロムシュテットが優れた資質を持った指揮者であることは明らかです。

「シュターツカペレ・ドレスデンだから美しい音を出すのは当然」か? そんなことはないはずです。ブロムシュテット離任後に、シュターツカペレ・ドレスデンのシェフとなった指揮者達が、このオーケストラから必ずしも美音を引き出せたわけではないことからもそれは明らかです。

ブルックナー/Sym.4: Blomstedt / Skd

| |

« コンサートの記(13) マリス・ヤンソンス指揮ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団来日演奏会京都公演2006 | トップページ | @nifty テーブルサッカー »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: ヘルベルト・ブロムシュテット指揮シュターツカペレ・ドレスデン ブルックナー交響曲第4番「ロマンティック」:

« コンサートの記(13) マリス・ヤンソンス指揮ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団来日演奏会京都公演2006 | トップページ | @nifty テーブルサッカー »