« 観劇感想精選(38) 第十八代目中村勘三郎襲名披露公演「野田版・研辰の討たれ」ほか | トップページ | 遊佐未森 『スヰート檸檬』 »

2008年6月25日 (水)

アレクサンドル・タロー(ピアノ) ショパン「ワルツ集」ほか

「フランス人だけどタローです」のキャッチコピーでおなじみの(?)フランス人ピアニスト、アレクサンドル・タローの弾く、ショパンの「ワルツ集」(全19曲)と、20世紀スペインの作曲家フェデリコ・モンポウの「ショパンの主題による変奏曲」の一部を収めたCDを紹介します。フランス・ハルモニア・ムンディ・レーベル。

アレクサンドル・タロー ショパン「ワルツ集」 ショパンの「ワルツ集」のCDというと、第1番から第19番まで(若しくは第14番まで)番号順に収められているのが普通ですが、タローが弾いた「ワルツ集」は曲順がバラバラ。いきなり第19番の演奏で始まり、第7番、第4番、第8番、第5番と続きます。

仏ハルモニア・ムンディのオン気味の録音も手伝って、タローのピアノは実にクリア。音色も明るく、ショパンらしい憂愁に満ちた曲、例えばワルツ第9番(「別れのワルツ」)なども暗すぎることなく、むしろお洒落に弾いてみせます。

ワルツ全曲の演奏を通して聴かれる洒落たセンスに、タローのピアニストとしての技量の高さが示されている素敵な音盤。

モンポウの「ショパンの主題による変奏曲」は、ショパンの前奏曲第7番(日本では「太田胃散」のCM曲といった方がわかりやすい)を主題にした曲。まずショパンの前奏曲第7番の音型を微妙に崩した主題が弾かれますが、続く変奏からすでにスペイン的な仄暗くも情熱的な曲調が示され、続いてショパンの「幻想即興曲」のモチーフも出てくるというユニークな曲です。

ショパン/Waltzes: Tharaud +mompou: Chopinvariations

| |

« 観劇感想精選(38) 第十八代目中村勘三郎襲名披露公演「野田版・研辰の討たれ」ほか | トップページ | 遊佐未森 『スヰート檸檬』 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: アレクサンドル・タロー(ピアノ) ショパン「ワルツ集」ほか:

« 観劇感想精選(38) 第十八代目中村勘三郎襲名披露公演「野田版・研辰の討たれ」ほか | トップページ | 遊佐未森 『スヰート檸檬』 »