生誕100年 カレル・アンチェル指揮 スメタナ「わが祖国」(1963年盤)
今年(2008年)が生誕100年に当たる、チェコの名指揮者カレル・アンチェル(1908-1973)が1963年に手兵であったチェコ・フィルハーモニー管弦楽団を指揮して録音した、スメタナの「わが祖国」を紹介します。スプラフォン・レーベル。
1968年のプラハの春で、西側に亡命したアンチェル。亡命直前に、やはりチェコ・フィルを指揮した「わが祖国」のライヴ盤(こちらは音楽祭の方の「プラハの春」での収録)が最近になって出たようですが、アンチェルとチェコ・フィルの「わが祖国」といえばやはりこの1963年盤。名盤中の名盤として知られています。
録音に古さが感じられるのが難点ですが、情熱と気品を合わせ持ったアンチェルの音楽性はやはり魅力的。「ボヘミアの森と草原から」の冒頭のように熱い音楽でも決して暴力的な響きにはならず、弦と管、拡がりと抑制などのバランス感覚にアンチェルがいかに秀でていたかの証左となっています。
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