チャールズ・マッケラス指揮プラハ室内管弦楽団 ヘンデル 組曲「水上の音楽」
「音楽の母」という称号でも知られるゲオルグ・フリードリヒ・ヘンデル(英語名 ジョージ・フレデリック・ハンデル)。
現在のドイツに生まれ、ハノーファーの宮廷で楽長を務めながら、イギリスに渡り、のちには英国に帰化したヘンデル。当時、音楽後進国であった英国において、音楽先進国ドイツ出身のヘンデルは厚遇を受けて気を良くし、ハノーファー選帝候の帰国命令を無視していました。
ところがそのハノーファー選帝候があろうことかイギリス王家の後継者として、ロンドンにてイギリス王ジョージ1世として即位するという展開に。命令を無視し続けたことで、ヘンデルは王に不愉快な思いをさせているため、王のご機嫌取りをする必要がありました。
そこで、テムズ川での王の船遊びの際に流れる音楽をヘンデルが作曲。これが3つの組曲にまとめられたのが、現在伝わっている「水上の音楽」です。
「水上の音楽」のCDには古楽器によるものもありますが、私が気に入っているのは、現代楽器の室内オーケストラであるプラハ室内管弦楽団をチャールズ・マッケラスが指揮したCD。1978年にEMIが録音した音源を、ディスキーがユネスコへの協力のために「ユネスコ・クラシックス」として再リリースしたもの。
マッケラスとプラハ室内管弦楽団は、その後、モーツァルトの「交響曲全集」を録音して高い評価を得ましたが、ヘンデルの「水上の音楽」においても抜群の相性を示しています。
溌剌とした音楽を作る指揮者であると同時に、音楽学者としての顔を持つマッケラスの知情意のバランスの良さも印象的な一枚です。
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