ダニエル・バレンボイム指揮シカゴ交響楽団 「ワーグナー 序曲・前奏曲集」
ダニエル・バレンボイムが、1994年に当時音楽監督の地位にあったシカゴ交響楽団を指揮して録音した「ワーグナー 序曲・前奏曲集」のCDを紹介します。TELDEC。
歌劇「さまよえるオランダ人」序曲、歌劇「タンホイザー」序曲、歌劇「ローエングリン」第1幕前奏曲、歌劇「ローエングリン」第3幕前奏曲、楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」第1幕前奏曲、楽劇「トリスタンとイゾルデ」前奏曲と愛の死の全6曲を収録。
世界最高のメカニックを誇るシカゴ交響楽団。この録音ではワーグナーの音楽よりもシカゴ交響楽団のアンサンブルの威力が前面に出ている感じはありますが、それでも現役の指揮者によるワーグナーとしては最高水準に達しています。
ユダヤ人でありながらワーグナー指揮者として世界的な名声を誇り、イスラエルにおけるワーグナー演奏も行っているダニエル・バレンボイムの指揮も堂に入ったもの。
しかし、一昔前の巨人のようなスケールを持ったワーグナー演奏と、現役世代のワーグナー演奏には大きな違いがあり、ドロドロとした情念のようなものが後退して、スタイリッシュな演奏が増えています。それが少し寂しくもあります。
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