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2008年8月15日 (金)

サイモン・ラトル指揮フィルハーモニア管弦楽団 ショスタコーヴィチ交響曲第10番&サイモン・ラトル指揮バーミンガム市交響楽団 ブリテン鎮魂交響曲

若き日のラトルが録音したショスタコーヴィチの交響曲第10番と、ブリテンの鎮魂交響曲をカップリングしたCDを紹介します。現在、この組み合わせのCDは廃盤のようですが店頭にはまだあるかも知れませんし、個別なら手に入ります。

サイモン・ラトル指揮 ショスタコーヴィチ交響曲第10番&ブリテン鎮魂交響曲 ショスタコーヴィチの交響曲第10番は1985年の録音、ラトルが30歳を迎える年に行われました。この録音が行われた当時、「ショスタコーヴィチの交響曲第10番といえばカラヤン」といわれるほど、カラヤン盤のイメージが強力だったのですが、そこに若きラトルが登場したということで、カラヤンとラトルどちらが上なのかと雑誌上で話題になったりもしています。ショスタコーヴィチの交響曲が盛んに録音されるようになった現在では少し影が薄くなった印象は否めませんが、それでもラトルの若き日の記録として重要なCDです。

鎮魂交響曲は、ベンジャミン・ブリテンが日本の皇紀2600年(1940年)記念のための音楽として日本政府から依頼されて作曲した作品。記念の年のためにブリテンが作曲した作品が「鎮魂交響曲」であると知った日本政府が激怒したという話が残っていますが、実際は、ブリテンの「鎮魂交響曲」は完成は、皇紀2600年には間に合わなかったそうで、日本政府には「ブリテンの曲は祝典に相応しくないものらしい」との情報が伝わっていただけのようで、激怒したというのは後から作られたエピソードのようです(あるいは締め切りに間に合わない上に不穏当な内容らしいというので怒らせたという可能性もあります)。

ラトルとバーミンガム市交響楽団が鎮魂交響曲を録音したのは1984年、ラトルはまだ20代でしたが、バーミンガム市交響楽団から人間の声のような有機的な響きを引きだしており、こちらは今もなお同曲の代表的録音として評価したい名演です。

サイモンラトル指揮フィルハーモニア管弦楽団 ショスタコーヴィチ 交響曲第10番 現行盤CD

サイモン・ラトル指揮バーミンガム市交響楽団 ブリテン 鎮魂交響曲ほか 現行盤CD

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