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2008年9月 8日 (月)

観劇感想精選(48) 大沢たかお主演「ファントム」

2008年1月18日 大阪の梅田芸術劇場メインホールにて観劇

大阪へ。午後6時30分より、梅田芸術劇場メインホールにて「ファントム」を観る。劇団四季のミュージカルでもおなじみ、ガストン・ルルー作の「オペラ座の怪人」を基に、アーサー・コピットが戯曲を手掛け、モーリー・イェストンが作詞と作曲を手掛けたミュージカル。
日本語版上演台本と演出は鈴木勝秀。主演:大沢たかお。出演は、徳永えり、ルカス・ペルマン、HISATO、中村まこと他。映像出演:姿月あさと。

脇役陣は、歌唱力を基準に選考したと思われ、その分、演技力は犠牲になっている。
だが、主役の大沢たかおの存在感がそれを補う。

「オペラ座の怪人」というと劇団四季の公演が有名で、私も数年前に京都劇場での公演を観ている。劇団四季の「オペラ座の怪人」はセットがとにかく豪華で、出演者も総じてレベルが高い。

そのため、セットが特に豪華とは言えず、演技力にもばらつきのある「ファントム」は最初のうちは不満が多かった。歌唱力で選んだ脇役陣は、歌はいいけれど、それでもある程度妥協しているのがうかがえたし、大沢たかおは意外に歌声が低いので(テノールの音域が要求される役だが、大沢たかおは完全なバリトンである)、高音を出すときは苦しそうだった。

しかし、「ファントム」は人間ドラマを中心に据えることで「オペラ座の怪人」にはない感動を生み出した。
あるいは、冷静に見れば、このドラマはやや通俗的なのかも知れない。しかしそれでも胸を打たれた。

ラストに照準を合わせ、俳優に高いレベルの演技を要求することで外連をそぎ落とさせた演出も見事である。


カーテンコールで、大沢たかおに向かって、「キャー、かっこいい」という黄色い声が盛んに飛んでいた。

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