サー・チャールズ・マッケラス指揮スコットランド室内管弦楽団 「ブラームス交響曲全集」
1925年生まれの名指揮者、サー・チャールズ・マッケラスが、スコットランド室内管弦楽団を指揮して完成させた「ブラームス交響曲全集」(TELARC)を紹介します。交響曲全4曲の他、交響曲第1番第2楽章の別バージョン、「大学祝典序曲」、「ハイドンの主題による変奏曲」を収録。
ブラームスというとどうしても、「暗い」「重い」というイメージがありますが、メカニックに優れたスコットランド室内管弦楽団を振ったマッケラスは、そうしたブラームスに対する先入観を覆す鮮やかな演奏を繰り広げています。
小回りの利く室内管弦楽団の長所を生かして、構造は明晰、細かい音の動きもよくわかります。そして音色は明るく張りがあり、音楽はエネルギーに満ちています。それでいながら、ベテラン指揮者だけが出せる自然な憂いが全編に漂っており、エネルギッシュなだけのブラームスには陥っていません。
重厚なブラームスだけがブラームスではないことを教えてくれる痛快な名盤です。
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