無明の日々(3) 「固執」
我々は拘る。我々は固執する。あらゆることに、人に物に、未来に過去に。
何事もなく遣り過ごしてしまえることに我々は酷く執着する。「これは手に入れなければ」「これは身につけなくては」「これはやっておかねば」。そしてそれが達成出来ても、叶わなくても、いずれにしろ我々は悶えることになるのだ。
固執。全ての因果の大元である。我々が本当に必要とするものは極々わずかなものでしか本当はないのかも知れない。だが、固執が、拘りが、我々を果てしない欲望へと導き、引きずり下ろすのだ。
そしてこの「固執」を断てない人間の弱さ。固執と実存との間で、今日も我々は戸惑い続けている。いや、戸惑える人はまだ幸せなのかも知れない。引き込まれた後では、我々はつまらない「固執」をそれと見分けられなくなるのだから。
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