日本のオーケストラを聴こう(1) 仙台フィルハーモニー管弦楽団 パスカル・ヴェロ指揮 ドビュッシー「海」ほか
日本に本格的なオーケストラが誕生してからまだ1世紀足らず。にも関わらず、日本のオーケストラは世界的に見ても高い水準にあります。オーケストラの本場ともいうべきドイツやオーストリアでも地方のオーケストラよりは日本の平均的なプロオーケストラの方が質が高いというのは、歴史から考えれば驚くべきことです。
しかし、日本人にとってオーケストラ演奏が馴染み深いものになっているかというと、必ずしもそうはいえないところがあります。
そこで、日本のオーケストラのCDをここで紹介していくことにしたいと思います。
第1回目で取り上げるのは、杜の都・仙台が誇るプロオーケストラ、仙台フィルハーモニー管弦楽団のCDです。
このCDでタクトを振るっている、フランス人の指揮者、パスカル・ヴェロは仙台フィルハーモニー管弦楽団の常任指揮者。1959年生まれ、ソルボンヌ大学とパリ音楽院に学び、ボストン交響楽団で小澤征爾のアシスタントを務めたという経歴の持ち主で、今はなき新星日本交響楽団と、新星日本交響楽団を吸収合併した東京フィルハーモニー交響楽団の首席客演指揮者を長く務めており、日本でもお馴染みの存在です。
フォンテックから出ているこのCDは2006年10月の定期演奏会をライブ収録したもので、プログラムはオール・フランスもの。デュカスの「ラ・ペリ」、ドビュッシーの交響詩「海」、ラヴェルの「ラ・ヴァルス」の3曲が収められています。
音色にもっと洗練されたものが求められたり、ヴェロのテンポが間延びしていたりと問題がないわけではありませんが、日本に地方オーケストラの高い実力を記録した良質のCDとして評価できます。
ところで、女優の鈴木京香(仙台市出身)は、仙台フィルハーモニー管弦楽団の定期演奏会を聴きに行って、会場でスカウトされたそうですが、本当でしょうか? ということで、スカウトされたい人は仙台フィルの定期演奏会を聴きに行くといいと思います。実際にスカウトされるかどうかは貴女次第ですが。
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