眞鍋圭子 『素顔のカラヤン』(幻冬舎新書)
音楽プロデューサー眞鍋圭子が書いた『素顔のカラヤン』(幻冬舎新書)という本を紹介します。
著者は上智大学卒業後に東京藝術大学別科でチェロを学び、その後ドイツに渡って音楽を専攻、その間にカラヤンへの雑誌インタビューのインタビューアーとしてカラヤンの知遇を得、カラヤンが来日する際にはコーディネーター兼秘書を務めるなど、カラヤンを間近で見てきた人です。
眞鍋圭子の目から見たカラヤンは帝王という称号からは懸け離れた、音楽好きでナイーブな好々爺といったところ。巷間いわれている権力志向や財テクなどとも無縁の人物であります。
一人物には様々な側面があり、ここでは音楽を愛し、また日本と日本人を愛したカラヤンの穏やかな芸術家としての一面を窺い知ることの出来ます。
カラヤン自ら音響アドバイスを行ったサントリーホール開館までのエピソードや、大阪のザ・シンフォニーホールでの振り間違い事件の真実など、日本の音楽ファンに興味深い記述も多い一冊です。
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