コンサートの記(54) 広上淳一指揮 京都市交響楽団第527回定期演奏会
2009年8月9日 京都コンサートホールにて
午後2時30分から京都コンサートホールで京都市交響楽団の第527回定期演奏会に接する。今日タクトを執るのは常任指揮者の広上淳一。
曲目はオールロシアもので、チャイコフスキーの「スラブ行進曲」、プロコフィエフのヴァイオリン協奏曲第2番(ヴァイオリン独奏:黒川侑)、ラフマニノフの「パガニーニの主題による狂詩曲」(ピアノ独奏:河村尚子)、チャイコフスキーの「イタリア奇想曲」。
午後2時10分からのプレトークに広上は坊主頭に青いTシャツという姿で現れ、これからの演奏会プログラムと今日のソリストについて紹介する。広上は今日のソリストである黒川侑について、「新しい新星」と、長嶋茂雄並みの迷(?)調子で紹介していた。
「スラブ行進曲」は細部まで丁寧に整えた広上の指揮が印象的。両手を高く上げて左右に振るという窓ガラス掃除のような広上の動きもユニークだ。
プロコフィエフのヴァイオリン協奏曲第2番のソリストの黒川侑はやや型にはまった堅苦しさはあるが技術は確かであり、いいヴァイオリニストだ。
ラフマニノフの「パガニーニの主題による狂詩曲」。ソリストである河村尚子の実演には何度も接しているが、いつものヒンヤリとしたタッチに今日は力強さも加わり、見事な演奏を聴かせる。
「スペイン奇想曲」。クレッシェンドの作り方やラストのアッチェレランドなど広上の演出は巧みである。京響のパワフルな金管も印象的であった。
曲はNHKの「オーケストラの森」の収録のためのカメラが入っており、そのためか(広上さんは「NHKに唆されたわけではないですが」と語っていたが)、アンコールとして大河ドラマ「天地人」のテーマ曲が演奏される。15秒ほどあるピアノ・ソロの部分は広上がキーボードで演奏した(「スペイン奇想曲」演奏の前から指揮台横にキーボードがセットされていた)。
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