コンサートの記(67) 湯川潮音ワンマンライブ「クレッシェンド」
2011年2月10日 大阪のumeda AKASOにて
午後7時より、東梅田のライブハウス「umeda AKASO」(旧・バナナホール)で、湯川潮音ワンマンライブ「クレッシェンド」に接する。
まず湯川潮音一人だけが登場、ギターを手に弾き語りをする。ファーストアルバム『湯川潮音』からの「緑のアーチ」に始まり、セカンドアルバム『灰色とわたし』の「風よ吹かないで」、最新アルバム『クレッシェンド』より「ルビー」など5曲を歌った。その後、MCが入り、「今日は東京から大阪まで飛んできました」と言って、背中にネイティブ・アメリカンが使うような羽根をつけていることを示す。「これから人数がどんどんクレッシェンドしていきます。ずっと一人じゃありません」。
ということで、まず、ギターの山本タカシが登場。湯川が17歳の時に初めてレコーディングしたという曲(英語タイトルなので忘れてしまった。高野寛のレコーディングへの参加で、当時、高校生だった湯川はセーラー服にルーズソックスでスタジオに入り、現場との違和感を感じたとのこと。何とか距離を縮めようと、高野寛が「普段、何してるの?」と訊いてきたので、「公園でオール」と答えたら余計距離が開いたように感じてしまったそうである)を歌う。ただ、この時は、湯川はギターを持たず、山本のギター1本で歌ったので、楽器は増えていない。
次の曲で、キーボードのエマーソン北村が登場。湯川もギターを持ち、やっと楽器によるアンサンブルで「ヒーロー」が歌われる。
その後も、ドラムスの千住宗臣やベースの鈴木正人が加わり、湯川の最新アルバム『クレッシェンド』から「ロンリー」、「Lover's Dart」、「ダイス」、「電話の向こう」、「どうかあしたは」、「ここから見る丘」などが次々に歌われていく。
「五線紙ソング」では、湯川は前奏や間奏に、パーカッションやベルを用いたり、五線紙を破いて見せたり、ライターに火を付けて蓋を閉じたりと様々な音を入れる。最後はオルゴールを奏で、蓋を閉じて終わった。
バックヴォーカルとして、エイミーという女性が登場。湯川潮音とは小学生の頃からの幼なじみで、現在は大学院で、タンパク質などを研究しているという。
湯川潮音は東京少年少女合唱隊の出身だが、湯川は楽譜が読めなかったので、いつも隣にいたエイミーさんの声を聴いて、0・1秒後に歌うことにしていたそうだ。
最後は、湯川がラジカセを取り出し、自身で録音した音楽を流してから、「愛に帰ろう」を歌う。
アンコールでは「逆上がりの国」が披露された。
それにしても湯川の歌声は素晴らしい。これほど聴き手の胸に何の抵抗もなく届く声というのは稀である。楽曲もいずれも優れており、間違いなく第一級のライブであった。
| 固定リンク | 0
コメント