名匠ヘルベルト・ブロムシュテットの超絶的美演 モーツァルト交響曲第35番「ハフナー」&ドヴォルザーク交響曲第8番
ヘルベルト・ブロムシュテット指揮イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団の演奏によるモーツァルトの交響曲第35番「ハフナー」とドヴォルザークの交響曲第8番のCDを紹介します。Helicon Classics。2005年11月3日から5日にかけて、イスラエル・フィルの本拠地である、テルアビブのマン・オーディトリアムでライヴ収録されたもの。
NHK交響楽団現役唯一の名誉指揮者としておなじみのヘルベルト・ブロムシュテット。しかし、日本では良くあることですが、よく日本のオーケストラを振りに来る海外の指揮者は過小評価される傾向があります。ブロムシュテットもその一人。しかしこのCDを聴けば、ブロムシュテットがいかに卓越した指揮者であるかがわかるでしょう。
イスラエル・フィルは弦楽の美しさで知られていますが、ブロムシュテットはそんなイスラエル・フィルの特性を十分に引き出し、「絹のような」という常套句が全く大袈裟でないほどの美音を弦から引き出します。弦だけでなく管もまたまろやかで夢見るような美しさ。
モーツァルトの交響曲第35番「ハフナー」は旧スタイルによる演奏ですが、天国的な演奏です。
ブロムシュテットは、シュターツカペレ・ドレスデンを指揮した、ドヴォルザークの交響曲第8番で録音デビューしており、情熱の迸りが見えるかのような個性的な演奏ですが、今回の、イスラエル・フィルを指揮したドヴォルザークの交響曲第8番は、また別の意味で個性的な演奏。第1楽章冒頭から、曲の持つスラヴ的な渋さよりも、音色の美しさを強調した純音楽的解釈。音色に濁りが全くありません。第3楽章がこれほど清澄な美しさでもって歌われたのは初めてなのではないでしょうか。情熱と美音を共存させた第4楽章の至芸も驚異的です。
ヘルベルト・ブロムシュテット指揮イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団 モーツァルト 交響曲第35番「ハフナー」&ドヴォルザーク 交響曲第8番(タワーレコード)
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