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2011年11月22日 (火)

私見・「黄泉比良坂」とは

「古事記」に出てくる。黄泉比良坂(よもつひらさか)。出雲国にあるということです。しかし、出雲国、今の島根県ですが、そこに有名な山があるかというとそうとは言い切れないのです。イザナミ命は伯耆国と出雲国の国境にある比婆山というところに葬られたとあります。それと類推される山もあります。
しかし、読んでいてピンと来たのですが、黄泉比良坂とは、山の坂ではないのではないでしょうか。では何か。出雲大社です。かつての出雲大社は当時としては異例中の異例ともいうべき高層建築で「出雲太郎」と呼ばれたほどでした。高床式社殿で、社殿には大階段で昇ります。この大階段が黄泉比良坂の正体なのではないかと思ったわけです。出雲大社に祀られているのは大国主命。国作りを完成させた神様です。どうも出雲地方というのは、大和とはもともとは別国家のようで、出雲大社も大和朝廷が建てたのかどうかわかりません。出雲勢力を収めて大和王朝は成り立ちますので、出雲大社を勢力下に収め、大和王朝の完成を大国主命として祀ることで表しているのではないでしょうか。大国主命は実は若い頃は大国主ではなく別の名前でした。八岐大蛇の正体は若い頃の大国主ではないかと思われます(若い頃は、「オオナムジ」、「オオアナモチ」、「オホナムチ」などでいずれも「オロチ」に近い発音です。別に八千矛神という名もあります。武力の神様です。八岐大蛇の「八」は八つではなく、「千」と同様、一字で、「大きい、多い、長い」という意味です。両方を合わせた八千は強い数字で、八千代というと「永久に〈とこしえに、とことわに〉続く世の中」という意味です。八岐大蛇はおそらく「強大な勢力」という意味です)。八岐大蛇を退治して三種の神器の一つ、天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ)、有名な呼称で言うと草薙剣が生まれるわけですが、出雲勢力は製鉄術を持っており、大和勢力は青銅の剣しか持っていませんでした。当然、出雲は強いです。これを破って、製鉄術を手に入れ、大和王朝が鉄の剣を持つようになった。これが草薙剣という形で表されたのではないかと思われます。

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