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2011年12月16日 (金)

コンサートの記(79) ギュンター・ノイホルト指揮 京都市交響楽団第552回定期演奏会

2010年11月19日 京都コンサートホールにて

午後2時30分から、京都コンサートホールで京都市交響楽団の第552回定期演奏会を聴く。

今日の指揮者はギュンター・ノイホルト。オーストリアのグラーツの生まれ(カール・ベームと同郷である)。歌劇場を中心に活躍している人で、コンサートでもウィーン・フィルハーモニー管弦楽団を指揮している。日本での知名度こそ低いが、実力者である。10年以上前になると思うが、大野和士がインタビューの中で「ノイホルト先生」と呼んでいた。師弟関係なのか、実力を認めているから先生と呼んだのかはわからないが、大野和士が「先生」と呼ぶのだから凄い指揮者である。

前半、後半ともにブラームスというプログラム。ピアノ協奏曲第2番(ピアノ独奏:キム・ソヌク)と交響曲第3番である。

ピアノ協奏曲第2番。ノイホルトは京響から美しい響きを引き出す。これはもう大野和士も「先生」と呼ぶわけである。
そして、キム・ソヌクのピアノ。キム・ソヌクに関しては全く情報を入れていなかった。というわけで、苗字からいって韓国人であるという以外は何者か知らずに聴いたわけであるが、驚いた。巧すぎるのである。若いから深みはないが、メカニックは抜群である。第1楽章が終わってからキム・ソヌクのプロフィールを確認。1988年生まれの大変若いピアニストである。10歳でリサイタル・デビューという神童系ピアノスト。海外留学はせず、韓国芸術大学でピアノを学んでいる。2004年にエットリンゲンコンクールを制し、翌年にはクララ・ハスキル国際コンクールのチャンピオンになっている。2006年に開かれたリーズ国際ピアノ・コンクールにおいては、40年のコンクール史上最年少、アジア人初の優勝を成し遂げたピアニストであるという。韓国を代表する指揮者であるチョン・ミョンフンとも勿論共演しているし、その他にもイヴァン・フィッシャー、ジャナンドレア・ノセダ、マーク・エルダーなどという実力派指揮者とも共演している。実力派ではないかも知れないが、曲目によっては名演を展開するウラディーミル・アシュケナージの指揮でも演奏している。
ともに知名度こそ低いが、実力派の組み合わせを聴くことになったのだ。招く指揮者とソリストは京都市交響楽団の常任指揮者である広上淳一を中心に決められる。広上は実力もある上に、明るい性格の人なので人脈がある。凄い人を呼べるのである。

キム・ソヌクはテクニックで聴衆を圧倒。アンコールを弾くことになる。モーツァルトのピアノ・ソナタ第16番(旧15番)第2楽章。ちゃんとモーツァルトの響きがする。優れたピアニストである。モーツァルトのピアノ・ソナタ第16番は第1楽章が有名で、クラシックに全く興味がない人でも聴いたことはあるという曲である。

交響曲第3番。ノイホルトは京響から澄んだ音色を引き出す。スケールも大きく、語りも上手い。大変明晰な演奏であり、ブラームスの意図が手に取るようにわかる。予想以上に優れた指揮者であった。

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