これまでに観た映画より(71) 「スター・ウォーズ エピソード1/ファントムメナス」
DVDでアメリカ映画「スター・ウオーズ エピソード1/ファントムメナス」を観る。ジョージ・ルーカス製作総指揮・脚本監督・作品。作曲:ジョン・ウィリアムズ。出演:ユアン・マクレガー、ナタリー・ポートマン、ジェイク・ロイド、イアン・マクダーミド、リーアム・ニーソンほか。
世界的大ヒットを記録し、フィルムはアメリカの国宝にも指定された「スター・ウォーズ」シリーズ。だが、元々ジョージ・ルーカスは「スター・ウォーズ」9部作の構想を持っており、それまで「スター・ウォーズ」とされた3つの映画シリーズは第4作、第5作、第6作に当たるものだった。ジョージ・ルーカスが現場の監督よりも製作総指揮として映画に関わることが多くなったのと、撮影技術の問題もあり、第1作から第3作、第7作から第9作は制作が凍結されていたのである。
遠い昔、はるか彼方の銀河系での物語である。
銀河共和国では貿易関税率に関する揉め事が起こっていた。そこで騎士のジェダイであるクワイ=ガン・ジン(リーアム・ニーソン)と弟子のオビ=ワン・ケノービ(ユアン・マクレガー)が通商連合が介入しているナブーという星まで交渉に出掛ける。だが、通商連合の連合軍であるバトル・ドロイドにより、ナブーは征服されようとしていた。なんとか窮地を脱し、ナブーの女王であるアミダラ(ナタリー・ポートマン)を救い出して、宇宙へと脱出したジェダイ達だったが、宇宙船の部品破損が起こり、やむなく近くにある未開の星、タトゥイーンに着地する。部品を買い求めようとするのだが、高値で話にならない。そんな中、ジェダイ達は、アナキン・スカイウォーカーという強力なフォースを秘めた奴隷の少年と出会う……
「スター・ウォーズ」シリーズの狂言回し役であるR2-D2やC-3POが早くも登場するが、「エピソード1/ファントムメナス」での狂言回しは原始人種グンガン人のジャージャー・ビングスが主に担当する。
ナブーの雰囲気は地中海ヨーロッパ的、共和国首都惑星コンサルトの景色はニューヨークの摩天楼に似ており、未開のタトゥイーンは中東的と、どことなくステレオタイプなイメージを受けるが、制作者がアメリカ人なのでこれはある程度仕方がないであろう。能天気に「正義のアメリカ、野蛮な中東」という構図で見てしまう人が出てきそうなのが問題であるが。
空飛ぶマシーンによるレースシーンがあるが、ジョージ・ルーカスはスピード狂であり、ハイスクール3年生の年度末に自動車事故を起こして入院を余儀なくさせられたことがある。ただ、ジョージ・ルーカスはLD(学習障害)の持ち主であり、学業はさっぱりであったため、もし事故がなかったら留年か退学が決まっていたという。怪我の功名でハイスクールを卒業出来たルーカスは短期大学にしか進学できなかったが、その後、猛勉強して南カリフォルニア大学に合格している。なお、ジョージ・ルーカスは今もスペリングが不自由であり、彼がLDだと知らない人を驚かせるという。
ライトセーバーの使い方は、西洋の剣術というよりも、日本のチャンバラを思い起こさせるが(日本刀や、槍、長刀のように扱われる)ルーカスは黒澤明を師と仰いでいるため、黒澤の時代劇映画から影響を受けた可能性は大いにありうる。ダース・ベイダーの格好は日本の甲冑を基にしたというのは有名な話である。
偉大な映画ではないかも知れないが、エンターテインメント大作としては万全の出来である。
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