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2015年7月 5日 (日)

笑いの林(47) 「テンダラー上方漫才大賞受賞記念ライブ」

2015年6月18日 なんばグランド花月(NGK)にて

午後7時30分から、なんばグランド花月(NGK)で、「テンダラー上方漫才大賞受賞記念ライブ」を観る。タイトルの通り、第50回の上方漫才大賞をテンダラーが受賞したのを記念してのライブ。テンダラーの他に、中川家と博多華丸・大吉も出演する。

開演時間が午後7時30分なのは、NGKでは朝の部、昼の部、夜の部の三回公演を行っているためで、入れ替えなどのために夜の部の開演時間が一般的な公演より遅めになるのである。

開演前にTUBEの「シーズン・イン・ザ・サン」が流れており、客席の一部から笑いが起こる。テンダラーが行っているJAPAN TOUR公演で白川悟美が「シーズン・イン・ザ・サン」を歌い、浜本広晃に「振付がダサい」と駄目出されるシーンがあったのである。

奥田民生と井上陽水の「ありがとう」が流れる中、巨大スクリーンにテンダラーの映像が映された後で、上から能舞台をイメージした松の絵の書き割りが降りてきて、テンダラーの二人が登場。白川が黒の、浜本が茶色の背広姿である。

テンダラーの二人はNSC組ではなく(白川はNSCに通っていたことがあるが中退である)、オーディションを受けて吉本に入ったという事務所直入組であるが、「オーディションを受けるのではなくスカウトされてみたかった」とも白川は語る。そこで、浜本がスカウトマンを演じ、白川がスカウトされることになるのだが、浜本が白川に年齢、職業、住所を聞き、白川が「44歳、何もやってない、実家」と答えると、浜本に「お兄さん、働いたらどうですか?」と言われてしまう。白川が18歳というかなり無理のある設定で再開。しかし浜本は、「今、甲子園球場で二死満塁なんでどう?」「鳥谷返すだけでいい」と代打のスカウトをしてしまう。今度は浜本がジャニーズのスカウトマンになるのだが、「私、ジャニーズの富田林支部の者です」と言って、白川に「どこに支部あんの?」と返されるが、浜本は「お兄さんはバヤシ組で」とトンダバヤシというグループの一員にスカウトされてしまう。
ようやくお笑いのスカウトになるのだが、白川のツッコミを浜本もやるのでツッコミが変になってしまう。

JAPAN TOUR in NGKで披露された演目もある。白川が「ぶらり旅」の番組に出たいというのだが、浜本がキャスティングしたのは、「小栗旬、向井理、テンダラー・白川の三人」で、白川から「キャスティングおかしいやろ!」と言われる。その後、「鈴木福、芦田愛菜、テンダラー・白川」となり、更に「居酒屋の大将、ホームレスのおばちゃん、テンダラー・白川」と誰が見るのかわからないキャスティングになってしまう。

いたずら番組の、「こら!おじさん」をやろうということになり、白川が田原俊彦役をやるのだが、「I wonna do!」と歌って右手を回しながら下手から上手に歩いて、浜本に呆れられる。

もう一度やることになるが、浜本が二人が歩き始めてすぐ「コラ!」と言ってしまい、白川に「早すぎる!」と駄目出しされる。

こんどは浜本がオドオドしてなかなか白川に近づかない。浜本は白川の隙を見て近づくのだが、白川に気付かれるとまた下がってしまう。

スペシャルゲストのコンビを呼ぶことになるのだが、浜本が呼んだのが何故か「大塚家具の社長とお父様親子です」(勿論、本当に出てきたりはしない)。

白川はディナーショーに出たいという夢を持っているのだが、浜本がセッティングしたのは何故かビックカメライベントスペース。白川は「そうじゃなくて!」というが、今度の舞台は東横インの一室。最後はリーガロイヤルホテルでやるという設定になるのだが、ここで白川が「シーズン・イン・ザ・サン」を歌い、“心潤してくれ”のところの振り(右手を心臓の前で上下されるもの)がダサいと浜本に指摘される。歌だけでは駄目なのでダンスもすることになるのだが、浜本もダンスを始めてしまい、浜本の方がずっと上手いので、白川の存在感がなくなってしまう。

ゲストの中川家と博多華丸・大吉による漫才。浜本は「ギャロップとスーパーマラドーナ」と最初はわざと間違えて紹介。その後、実際の出演者をコールする。

中川家。まず剛が「どうも、我々がスーパーマラドーナです」とボケる。礼二(礼二は東京ではまず俳優として注目を浴びており、私も芸人・中川家礼二よりも俳優・中川家礼二のイメージが今も強い)が今も車掌になりたいという夢を持っているというので、大阪市営地下鉄や京阪電車の車掌のアナウンスの物真似をやってみせる。大阪市営地下鉄長堀鶴見緑地線の話になり、「大正は全部埋め立て地の区で、おじいちゃんおばあちゃんしかいない。工場の音がうるさい(剛が口で機械の騒音の真似をする)」、北のターミナルである門真南駅では何故が発着音の後で人の声によるメロディーが入るそうである。
また、吹き込んだ声をコンピューターがセレクトして行う自動放送と実際の駅員のアナウンスが被る様子も礼二は演じる。

博多華丸・大吉。テンダラーもリズム芸の芸人だというので、博多華丸・大吉もリズム芸を行うことにするのだが、華丸がやったのは「焼酎もう一杯、焼酎もう一杯、焼酎もう一杯、焼酎もう一杯説明してね」という8.6秒バズーカーの「ラッスンゴレライ」のパクリ。華丸によると「焼酎五杯」でラストオーダーになるとのこと。大吉によると、「これNGKでやるネタちゃう。100人ぐらいのとこでやらんと。さっき楽屋で作ったネタだけどおもろない」と出番寸前に思いついてやったネタだと明らかにしていた。

博多華丸・大吉は1970年生まれであり、子供が最も多かった時期に少年時代を過ごしている。華丸・大吉は自分達のことを「第二次ベビーブーマー」と呼んでいたが、実際の第二次ベビーブーマーは、出生数が200万を超えた、1971年生まれから1974年生まれまでである。ただ、1970年生まれも出生数は200万には達しなかったものの多く、華丸は「見渡す限りみんな同級生」と言っていた。第一次及び第二次ベビーブームは大戦の影響によるものであり、戦争の爪痕の一つと見ることも出来る。
華丸の行っていた高校(野球で有名な福岡大大濠高校)は、1クラス50人で20クラスまであり、しかも男子校であった(2012年に共学化)。修学旅行先は、福井県の東尋坊に富山の黒部ダムという、何故か共に「自殺の名所」といわれるところだったという。

今は少子化で子供が少ないが、子供の体力が衰えているという。睡眠不足の影響も大きいという。一人に一台テレビ、パソコンにスマホ。これではなかなか眠れない。
ということで、大吉が眠れない子供を演じ、華丸が寝かしつける親をやる。まず華丸が絵本を読むことになり、「三匹の子ブタ」の概要を説明するのだが、三匹目のブタの煉瓦の家を何故か博多弁のおじさんの指揮で建設会社が建てることになる。華丸は「ブタに煉瓦の家を建てることは無理」と断言する。
今度は「浦島太郎」の話をするのだが、竜宮城では浦島太郎の出迎えをするためにパートの佐々木さん(誰?)らが宴会の準備をしている。大吉が「(竜宮城でお手伝いをするなら)鯛とかヒラメとかがやればいいやろ」と言うが、「そんなん、出てきた瞬間に捌かれるばい」と主張する。

最後は、羊を数えることになるのだが、羊ではなく山羊やカバが混ざっていて華丸に注意され、大吉は眠ることが出来ない。

その後、テンダラー、中川家、博多華丸・大吉によるトーク。10分だけであったが、結婚していないのがテンダラー・白川だけという話になる。博多華丸のお嬢さんはもう高校生であり、娘と二人で出掛ける時は恋人気分になるとのこと。
博多華丸は大学生達を見ても、娘と同世代で照れくさくなるため、今では博多華丸・大吉は学園祭には出ないことにしているのだという。

中川家剛の双子の子も小六であり、小柄である剛にもうちょっとで追いつきそうだという。
ちなみに、テンダラー・浜本は1974年の早生まれであるが、「自分が一番年下の公演は久しぶり」だという。

「ポリープ対策漫才」。喉にポリープが出来るのは四十代が圧倒的に多いというので、41歳の浜本が一切話すことなく音響効果のみで漫才をやる。
夫婦関係については郷ひろみの「ゴールドフィンガー99」の「アチチアチ」、新居を探しているのだが、候補地が「北京、ベルリン、ダブリン、リベリア」と「アジアの純真」の歌い出しが流れる。白川は「ダブリンってどこ?」と言う(ダブリンはアイルランドの首都である)。更に山崎まさよしの「急行待ちの 踏切あたり」(「One more time,one more chance」)という抽象的な候補地になる。
白川がピン芸「阪神タイガースファンが喜ぶシャッターの押し方」をやる。「ハイチーズ」ではなく「オ・スンファン(呉昇桓)」と言ってスベるのだが、「少しも寒くないわ」(松たか子「Let it Go ありのままで」)というフォローが入る。
最後は白川の「これからの俺らどうなる?」との問いに、「ゆっくりゆっくり下ってく」(ゆずの「夏色」より)と歌が答えてしまう。

最後は、漫才&コント。時代劇シリーズということで、まず「水戸黄門」。浜本が「こちらにおわす方をどなたと心得られる畏れ多くも先の副将軍」と言った後で名前を忘れてしまい、適当に誤魔化す。

最後は「必殺仕事人」。白川が悪代官を、浜本が町娘と必殺仕事人を演じる。まず浜本が「おやめ下さい悪代官様」と言って、白川が「悪代官って言うな!」と怒るのだが、浜本は「シーズン・イン・ザ・サン」の“心潤してくれ”のフリ真似を延々とやる。その後、必殺仕事人・中村主水として登場するのだが、刀を忘れてきたり、卑怯な手を使ったり、やたらと弱かったり、もう一人必殺仕事人が来たり、刀を8本ほど持ってきていたりする。

最後は、白川が中村主水になるのだが、「必殺仕事人」のテーマを上手く歌えなかった。

ラストの白川のピン芸。「阪神タイガースファンが喜ぶシャッターの押し方2」で、今度は「林威助(リン・ウェイツー)」と言ったのだが全く受けず(そもそも林威助のことをもう覚えていない人の方が多いと思われる)、松たか子の「少しも寒くないわ」という声がフォローした。

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