これまでに観た映画より(78) 「未来世紀ブラジル」
DVDでイギリス&アメリカ合作映画「未来世紀ブラジル」を観る。映画も有名だが、主題歌の「ブラジル」の方がもっと有名だ。
1985年の作品。近未来ではあるが、20世紀のとある場所という設定である。1985年当時の未来予想像が窺えるのも興味深い。コンピューターはあるが、タイプライターがまだ積極的に活用されており、携帯電話も大型で、インターネットはなく、エアシューターが活躍している。
ある国のある都市。徹底された情報化社会と情報統制に反発を強める一団が爆弾テロを繰り返している。情報省に勤めるサムは夢の中に出て来た女性にそっくりのジルに惹かれ、情報剥奪局への昇任を利用し、ジルの情報を引き出そうとするのだが……。
夢と現実がたびたび入れ替わったり、何故かサムの幻想の中に日本の鎧武者が出て来たり、子供達が拷問遊びをしていたりと、キッチュな味わいに溢れている。
ラストは非常にブラックであり、救いがない。このシーンに陽気なメロディーを持つ主題歌「ブラジル」が対比されることで暗さが更に増す。「ブラジル」は憧れでしかないのだ。
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