上白石萌音 「366日」 Short Version
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DVDで映画「クヒオ大佐」を観る。吉田大八監督作品。出演:堺雅人、松雪泰子、満島ひかり、中村優子、新井浩文、安藤サクラ、内野聖陽ほか。
実在の結婚詐欺師・クヒオ大佐(映画「カタクリ家の幸福」では忌野清志郎がクヒオ大佐をモデルにしたリチャード佐川を演じている)を主人公にしているがノンフィクションではなく、湾岸戦争の起こった1990年代初頭を舞台にしたオリジナルストーリーである。
現在、大河ドラマ「真田丸」で主演を張っている堺雅人がタイトルロールであるジョナサン・エリザベス・クヒオ大佐(勿論、偽名である)を演じている。内野聖陽や新井浩文など「真田丸」に出演している俳優も脇を固めており、堺雅人(「真田丸」で真田幸村役)と内野聖陽(同じく徳川家康役)とが直接対決するシーンがこの映画にはある。もっとも、直接対決とはいえ、リアルな設定のシーンで行われるわけではないわけだが。
二部構成であるが一部はかなり短く、第二部が本編となる。第一部の主演が内野聖陽である。
実在したクヒオ大佐は生まれつき鼻が高かったかもしくは整形といわれているが、この映画ではなぜ鼻が高いのかは触れられていない。鼻だけ高い顔も変だし、いつもアメリカ海軍パイロットの制服や軍服姿というのも妙なのであるが、なぜ女達がクヒオ大佐に惹かれるのか、その心理が描かれている。彼女達は騙されていると薄々感づいており、忠告もされながら愛してくれる人を求めてクヒオ大佐に靡いてしまうのである。
妙ちきりんなクヒオ大佐と彼に心傾く女達。その姿は愚かしいが、それ故に人間というものが愛おしく感じられる作品でもある。カオスな展開もあり、生まれついての詐欺師であるクヒオ大佐の妄想のシーンなども入り込んで、登場人物のみならず映画も変な出来で特段優れた作品ではないのだが、楽しめる仕上がりにはなっている。インテリ役が似合う堺雅人が、英語が出来ないのにアメリカ人であると嘘をついて窮地に陥る間抜けな詐欺師に扮し、イケイケ系やキャリアウーマン役の多い松雪泰子が奥手の女性を演じるなど、パブリックイメージとは真逆の役に臨んでいるのも面白い。
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レンタルDVDで日本映画「おと・な・り」を観る。2009年の作品。熊澤尚人監督作品。ジャニーズ事務所が制作に協力しており、エグゼクティブ・プロデューサーとしてSMAP解散騒動で有名になった藤島ジュリーK.の名がクレジットされている。出演:岡田准一、麻生久美子、谷村美月、岡田義徳、池内博之、市川実日子、郭智博、とよた真帆、森本レオ、平田満ほか。
物音や声、音楽などの聴覚による繋がりを描いた大人のためのファンタジーである。現実的には「絶対に」と断言しても良いほどあり得ない設定で描かれているのだが、深層やメタレベルで感じると微笑ましく思える秀作である。麻生久美子演じる登川七緒はシベリウスを聴き、物語の鍵となるはっぴいえんどの「風をあつめて」を歌詞を完全に記憶して歌えるなど、女性としては極度にスタイリッシュ、更にいうと「実在感が乏しい」のであるが、これは意図的に浮き世離れしたキャラクター造形がなされたものだと思われる。実際に劇中に「リアリティ」について問われる場面がある。
東京にある瀟洒だが古くて壁の薄いアパートが舞台。ファッション誌担当のカメラマンをしている野島聡(岡田准一)と花屋で働く登川七緒は隣人である。聡はフランス語の独習をしている七緒の声に、七緒は聡がコーヒー豆を挽く音に惹かれているのだが、二人とも手痛い失恋の経験があり、異性に対しては奥手で、お隣さんで且つ惹かれるものがあるのに顔を合わせようとはしない。また七緒は「風をあつめて」を好んで歌っており、聡の撮影事務所の同僚である平川由加里(市川実日子)から「鼻歌お姉さん」と呼ばれている。
聡はカリスマモデルで俳優のSHINGO(池内博之)のソロ写真集のカメラマンを務めたことで業界内で名を挙げるが、内心では風景写真家として成功することを望んでおり、ファッションモデルの撮影は意に染まぬ仕事で、カナダに渡って風景写真家としての足がかりを作る計画を立てていた。そんな折り、SHINGOが失踪する。SHINGOの彼女である関西弁の上田茜(谷村美月)はSHINGOがいると思って聡の部屋を訪ね、SHINGOがいないとわかっても「SHINGOを待つ」と言って聡の部屋に住み着いてしまう。
七緒は花屋で働きながらフラワーデザインの資格を取るべく勉強しており、また近くフランスに留学する予定でフランスの独習を続けている。基本的には善良な性格なのだが、プロ意識や美意識はかなり高い。
七緒がよく立ち寄るコンビニの店員、氷室(岡田義徳)が七緒に接近する。だが、氷室には恋心とは別の意図があった。
「音」に焦点を当ててリアルを逆照射する映画であり、現実的な意味での蓋然性に関しては意図的に下げられている。そのためファンタジーと捉えられるのであるが、夢だらけの物語ではなく、シリアスな要素も数多く取り入れられている。「音」に代表される間接描写が多く、使い方もお洒落且つ上手い。
設定に関してはリアリズムの手法は採られていないが、心の動きに描き方に関しては説得力があり、見応えのある映画であった。
1日に最低2本は映画を観るなど勉強家でストイックな岡田准一と、天才肌の女優である麻生久美子の組み合わせも実に良い。
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