笑いの林(78) 「祇園ネタ」&吉本新喜劇「茂造のみんな集まれお正月」2016年12月30日
「祇園ネタ」の出演は、バンビーノ、タナからイケダ、ガリガリガリクソン、千鳥、オール阪神・巨人(登場順)。
バンビーノ。石山大輔が、「こう見えてブラジルにサッカー留学をしたことがあります」と言って、それなりに良い感触を得る。石山は相方の藤田裕樹(ふじた・ゆうき)を紹介するが、「動物です」とダンソンの時のネタで紹介する。石山は、「落語の桂きん枝師匠の甥っ子です」と藤田を紹介し直すが、「お笑い界のサラブレッド。やっぱり動物」とネタに繋げる。
「ダンソン」をやる前にショートコント。ちなみに今日のお客さんはバンビーノを生で見るのは初めてという方が大半のようだ。
ショートコント「ですよね」。石山と藤田が出会ってハイタッチなどを繰り返すが、石山が「はじめまして」と挨拶し、藤田が「(はじめまして)ですよね」と返す。文字だけだと面白さは伝わらないと思うが、お笑いっていうのは、文字に起こしても笑いは伝わらないものである。だから、ここに書くのも記録用であり、「楽しみたかったら劇場へ」と書くしかない。
続いてのショートコントは「喧嘩」。石山が上手から下手へ、藤田が下手から上手に歩き、途中で肩がぶつかる。石山が喧嘩を売り、藤田が殴りかかるが、石山がターンして迎え撃つ(?)という謎の仕草を見せる。
ショートコント「距離感のおかしい喫茶店」。客の石山と喫茶店店員の藤田が顔を目の前に近づけながら案内や注文を行うというコントである。
ショートコント「喧嘩Ⅱ」。石山が藤田の頭を殴ると、藤田が舌を鳴らして「コン!」という音を出すという内容。
「ダンソン」ダンスを行い、その後、手を挙げた小学校6年生の男にも「ダンソン」と「ニーブラ」体験をして貰う。
タナからイケダ。まず池田周平が、「パーキュットですね」と言って、客席が「???」となる。田邊猛徳の顔は「パーツが中央にキューッと集まっている(童顔のこと)」ので「パーキュット」なのだそうだ。
今日も高校球児と女子マネージャーのコント。
田邊は高校時代野球部で、女子マネージャーとの恋の憧れたというので、再現してみる。池田は女子マネージャーについて「やったことあるので」と自信を見せる(?)。
練習後、先輩部員に女子マネージャーが忘れ物を届けるという設定なのだが、池田は、「忘れ物だぞ!」、「忘れ物ですー↗」という言い方をして田邊に嫌われるキャラの女子を演じてしまう。
このネタは何度も書いているので、途中は端折って、恋人がいるかどうか聞く場面から続ける。
池田が田邊に恋人がいるか聞く場面。田邊は、「言いにくそうに」と指示するが、池田は、「お前はお父さんの子じゃないんだ」と別の言いにくいことを言ってしまう。
田邊は、「世話好きでお節介焼き」が好きだというが、池田は、「私やん!」と言って田邊の背中を叩くという大阪のおばちゃん風の女子を演じてしまう。気づかないという設定に変えるが、池田は、「ひょっとして……食堂のおばちゃん?」とボケる。
手を繋いで帰ろうとするも、立ち位置向かって左の田邊が左手を出すと、立ち位置同じく右の池田も左手を出してしまう。田邊に「こんな格好で並走している人、見たことある?」と突っ込まれる。その後も池田が反転して左手同士で手を繋ごうとするなど、無茶苦茶なことをした後にようやく手を繋ぐ(今日は池田が、「こう見えても36なんです」と言う。池田は田邊より3つ年上である)。が、池田は手を繋いだままタクシーを呼ぼうとしてしまう。
「ハンチング帽をかぶっている男性」→「ホモ」
「Mr.Childrenが好きな人」→「真ん中の桜井(和寿)さんしか知らない」(今日手を挙げた男性は「メンバーは一人も知らない」とのことだった。お義理で挙手したのかも知れないが)
「EXILEが好きな人」→「パッパラパー」
「TOKIOが好きな人」→「そんな人いない」
「メールで、「ぁ ぃ ぅ ぇ ぉ」などの小さな文字を使ったり、「まじ」をわざと「まぢ」と書いたりする人」→「就職ない」
「カップルや で見に来ている人」(空欄には「夫婦」という言葉が入るのだが、漢字が書けなかったという)→「100%別れる」(上手くいっていても、「死が二人を分かつ」時は来るので当たっているといえば当たっている)
その前に、ちびっ子に好きな芸人を聞いたのだが、一人目は「バンビーノ」と答え、「もう終わっちゃいました」。二人目は「千鳥」と答えたので、「僕、早めに終わりましょうか」。三人目は「ガリガリガリクソン」と答えたのだが、「嘘やね」と瞬殺であった。
千鳥。大悟は岡山県の離島の出身であり、小学校時代は1クラス6人のみで、「サッカーをやるときは3対3。キーパーをやる人がいると2対2」で、「ロングパスばかりしていました」と語る。
大悟は、子供の頃はお笑い芸人ではなく、小学校の教師になりたいという夢を持っていたそうである。
ということで、大悟が小学校の教師となり、ノブが児童に扮して、「学校の給食費が盗まれたが、犯人を他の児童に知られずに見つけ出し、職員室に呼ぶ」という場面を演じてみる。
大悟は、「目を閉じて」と言い、「給食費を盗んだ者、手を挙げなさい」と言う。ノブが手を挙げるのだが、大悟は「ノブ」と犯人の名前を言ってしまう。
大悟は犯人の児童を職員室に呼ぶことに関して、「凍り付いた子供の心を溶かしてあげたい」というようなことをたどたどしく言って、ノブに「覚醒剤やってます」と言われる。
大悟は犯人の児童に、「味噌汁を飲ませたい」というようなことも語るのだが、職員室を訪れたノブに、「お前んち貧乏じゃけ、お前だってわかっちょったわ」と言ってしまう。
オール阪神・巨人。ちなみに巨人師匠は自分のコンビを「オール巨人・阪神」と呼ぶそうで、若手芸人は間違えないよう気を遣うという。
まず巨人が、「今日のお客さんはとても良いと聞いております。何を言っても笑ってくれる。(頭)おかしいんちゃう?」と切り出す。
地方公演に行くと、自由席の場合が多いので前に子供ばかり集まってしまい、阪神に、「おい、漫才師。お前、漫才師やろ。肥えたんちゃう? 顔色悪いな肝臓か腎臓悪いんちゃう?」などと喋る掛けるそうだ。
年齢層が固まっているところ、例えば老人ホーム。オール阪神・巨人は、毎年、敬老の日に老人ホームで訪問公演を行うのだが、おじいちゃんおばあちゃんは笑ってるのか震えているのかわからない。後で聞いたら、「笑いながら震えている」ということだったそうだ。
阪神の母親は、59歳で亡くなったのだが、泉大津市に務める婦人警官(今は女性警官と呼ぶようだ)で、日本の婦人警官の第一期生だったそうだ。阪神の両親は職場結婚だったそうだが、巨人が、「お父さん、泥棒」と嘘をつく。
巨人の母親は95歳での大往生だったというが、ボケることはなかったそうである。川柳を作るのが趣味で、「墓参り 行けないけれど 入れます」というような自虐川柳を作っていたらしい(本当かどうかはわからない)。
年を取ったので、尿漏れなどもあったらしいが、巨人は、「上品にいわなあかん。『お小水を放尿なさいました』」とアナウンス口調で言い、それを阪神が、デパートのアナウンス、パチンコ屋の呼び込み風に変えていく。
そして阪神が、「昔々、ある村に小便を漏らす婆さんがおったそうな。一足歩けば小便ちょろり、二足歩けばジョンジョロリ。じゃが、小便漏らしたところから芽が出たそうな。そこで取れた野菜を、『これ、もろうてええんかいの?』、『誰のものでもないからええんじゃ』」と続けていくが、巨人に、「どんどんネタが面白くなくなっていってる」と指摘された。
阪神が巨人の物真似で、「阪神君、最後のネタあかんかったな。ハッハー!」とやり、巨人に「お前、巨人・阪神一人で出来るんちゃうか?」と言われた阪神が一人で阪神・巨人をやるもさっぱり受けない。
阪神が、「ワイルドだろう。ここからネタないぜえ」、「煙草はセブンスターだぜえ。マイルドだろう」と、スギちゃんの物真似をやるが、巨人に「お前はワイルドでもマイルドでもない。チャイルドだ」と言われ、「この間、小学校5年生と喧嘩したぜえ。負けだぜえ。チャイルドだろう」
巨人によると、「阪神は結婚して子供が出来た。いや、結婚して離婚して結婚して子供が出来た」ということで、巨人が阪神の家に遊びに行くとよくなつくのだが、巨人は「本当の父親が誰かようわかっとるな」
吉本新喜劇「茂造のみんな集まれお正月」。年またぎの公演である。出演:辻本茂雄(座長)、桜井雅斗、平山昌雄、伊賀健二、大島和久、鮫島幸恵(さめじま・ゆきえ)、もりすけ、たかおかみゆき、前田真希、島田珠代、若井みどり、森田展義、五十嵐サキ、玉置洋行、松浦景子、アキ。
旅館ぎをんが舞台。花月グループの五十嵐サキが地上げの話を持ち込む。サキはチンピラのアキを連れてきていた。オーナーの平山昌雄の長女、幸恵が彼氏のもりすけを連れてくる。しかしもりすけはハゲなので、父親でもない茂造が怒る。昌雄の次男である和久も彼女のみゆきを連れてくるのだが、茂造に「めっちゃ不細工やないか!」と言われる。
昌雄はサキの「駅前レジャーランド開発に反対されていますよね?」という問いに、「その……レジャーランド……」と詰まり、茂造に頭をはたかれる。更にもりすけのセリフのタイミングも悪く、大島和久が「接客業」と言おうとして、「せっきゃ、ゴホゴホ」と咳き込んだため、茂造は半ば本気で「今日はもう帰る!」と言う。
その後、長男の「横顔新幹線」の健二が現れ、出演者が横一列になって健二が前を通り過ぎる際に、「新神戸」「新大阪」「京都」「名古屋」「新横浜」「品川」「東京」と新幹線の停車駅を言い、戻りには、「よ」「こ」「が」「お」「新」「幹」「線」と言うのだが、みゆきがセリフをとちったために茂造に怒られる。
健二もまた婚約者を連れてきていた。茂造は、「ハゲにブス。これでハゲのブスだったら最高」と言うのだが、健二が連れてきたのは前田真希で、「めちゃめちゃ可愛いやないか!」と健二と真希の頭をはたき棒ではたく。だがそこに、ハゲずらをかぶった島田珠代が健二のストーカーとして登場。茂造は、「神様ありがとう!」と感謝する。
島田珠代はスベリ芸で盛大に滑るのだが、演技が今一つの平山昌雄、もりすけ、たかおかみゆきも罰ゲームとして島田珠代と同じ芸をやらされる。
真希は消費者金融に1000万の借金をしていた。若井みどりが、チンピラの森田展義を伴って取り立てにやってくる。例によって「1000万!」という言葉を何人も繰り返し、「合わせて9000万」になるのだが、茂造は森田展義に、「1億円でボケろ」と要求。森田は旅館の店員という設定で、「あ、お客様。一(人)、奥へ」とやって大滑り。若井みどりも挑戦したが、「私は今72歳。もうすぐ使うよ、ムーニーマン」と言って笑いを取った。
森田には再度笑いを取るチャンスが与えられたのだが、「はぁい」と繰り返すもので、客席から「はぁい」のフライングがあったり、観客が合わせて「はぁい」と言うため、茂造に「宗教みたいになっとるやないか!」と突っ込まれたりする。
五十嵐サキ、アキ、前田真希らが実はグルだったという、普段の吉本新喜劇に比べると一捻りある展開であった。
ちなみに、アキが机の上に乗り、平山昌雄、伊賀健二、大島和久、もりすけが机を持ち上げ、円広志の「夢想花」に合わせて、机を揺らして持ち上げて、というシーンがあったのだが、茂造が止めずに延々とやったため、4人から「もう手首が限界です」と言われたらしいのだが、「俺、わからないんだよ。手首のこと詳しくないからさあ」と言い、茂造に「すんません」と言われ、「いいよお」とやっていた。
吉本には、「なんてこったパンナコッタ」という駄洒落があり、今日も茂造が、「『なんてこった』と言うので、後はわかりますね」と客席との掛け合いを行ったのだが、この駄洒落は東京では吉本由来と認識されていないため、なんだかややこしいことになっているようである。
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