« 観劇感想精選(206) 「お気に召すまま」 | トップページ | 連続テレビドラマ「カルテット」のためのメモ集成 »

2017年3月21日 (火)

笑いの林(85) 「宮村優子×桜 稲垣早希プレゼンツ in 大阪!」

2017年3月4日 大阪・弁天町の世界館にて

JR弁天町駅から北へ。安治川沿いにある世界館という劇場で、「宮村優子×桜 稲垣早希プレゼンツ in 大阪!」の2回公演を観る。一帯は工業地帯で、それ以外のものはほとんどない。世界館も元々は倉庫だったものを改修し、入り口付近のファサードをお洒落にして、2004年に劇場としてオープンしている。プロレスの会場になってりしているようだ。
「宮村優子×桜 稲垣早希プレゼンツ」公演は今回が3回目。初回は昨年初めに、二人の出身地である神戸で行われ、2回目は東京で開催された。神戸公演では、みやみーこと宮村優子は旦那の悪口ばかり言っていたが、その後、離婚している。

第1部は正午開演の公演で、「みやむー&さきの部屋~お昼は楽しくおしゃべりの回」でトークショー。第2部が午後5時開演の公演で、「みやむー&さきの部屋~夜はわいわいゲームの回~」でゲームコーナーである。

第1部は、二人とも私服で登場。まずは早希ちゃんが、「3回目ですが、全部来ているという人」と聞く。結構いる。次いで、「今日が初めての人」と聞くとこれもまあまあいる。宮村優子が、「どうも宮村優子です」と自己紹介をし、早希ちゃんが、「それはみんな知ってます。知らないで来ている人がいたら頭おかしい」と突っ込む。

アスカのコスプレで来ている、早希ちゃん公演常連の女の子がいるのだが、早希ちゃんと宮村優子に発見して貰い、声を掛けられたので嬉し泣きしていた。

まずは「ババ抜きトーク」。二人とも相手に話して欲しい話題を5つ用意して紙に一枚ずつ書き、ババ抜きの要領で引いて、トークを行うというもの。
早希ちゃんが先攻で引く。お題は「ハマっているもの」。早希ちゃんはYouTubeにハマっているそうで、自身も公式YouTubeチャンネルを立ち上げて、有名YouTuberのHIKAKINさんを真似したサキキンというキャラクターを演じている。サキキンは極端なぶりっこ&ナルシストキャラなのだが、早希ちゃんを知らない視聴者から叩かれまくっているそうで、「ボケ、ブス、シネ!」と早希ちゃん曰く「覚えやすい」暴言で罵られているそうだ。アスカの子だと知っている人でも、「アスカじゃない時はこういう子なんだ」と思い込んで、「ぶりっこは嫌われますのでやめた方がいいですよ」と心配してメッセージを書き込んでいるという。
宮村優子は、いつも下に小さい文字で「本当に聞きたい質問」を書いており、「早希ちゃんの属性はSですか? Mですか?」と聞いている。宮村優子はずっと「自分はMだ」と思って生きてきたのだが、最近になって「あれ? Sじゃない?」と気づいたそうである。「早希ちゃんは、いじめるのが好き? いじめられるのが好き?」と聞かれた早希ちゃんは、「その言葉にゾクゾクしているのでMです」と言うも、「Mの女の方がモテる」とも言って、「一応M」ということにしておく。宮村優子は、「男性はMの方が多いらしい」と言っていたのが、そうなのか?
宮村優子が引いたのは、「最近、日本の焼きそばがおかしいので食べてみて」。カップ焼きそばの味が妙なことになっているそうで、昨年のクリスマスには「ショートケーキ味」、今年のバレンタインデーには「チョコレート味」、そして今は「納豆味」が出ているそうである。「ショートケーキ味」と「チョコレート味」は今は手に入りにくいそうで、わざわざ取り寄せたそうだ。
スタッフが、裏でカップ焼きそばを作っている間に、早希ちゃんに二つ目の質問、「何フェチですか?」。早希ちゃんは「首フェチ」だそうで、うなじを見るのが好きだそうである。男性が物を落として拾おうとして屈んだときに見える首の裏側をガン見するそうだ。女性のうなじが素敵なのはわかるのだが、男のうなじについてはよくわからん。「ホクロがあるとなおいい」と言っていたが、こちらはなんとなくわかる。南野陽子もホクロがなかったら魅力半減だろうし。泣きぼくろがチャームポイントという女性も多い。ついでに、「お風呂に入ったとき体のどこから洗いますか?」とも小さい字で聞いていた。
宮村優子は長風呂で1時間ぐらい入っており、体は洗わないそうである。彼女は現在もオーストラリア在住なのだが、オーストラリアのバスタブは浅くてすぐに冷めるのでずっとお湯を入れ続ける必要があるそうだ。子供二人も入れるので長くなるという。早希ちゃんが、「人妻」と言いかけて止め、宮村優子は「シングルマザー」と言った。

できあがったカップ焼きそばの試食。劇マズで、早希ちゃんは一口食べるのが精一杯だったが、みやむーは「まずくはない」と言って、全て一口以上食べていた。宮村優子は自分で、「バラエティーではおいしくないタイプ?」と言い、早希ちゃんも「ちょっとおかしいです」と言っていた。

宮村優子への質問2つ目は、「ハマっているもの」でかぶってしまう。みやみーはマンガが好きなのだが、オーストラリアでも買える電子書籍版は、以前は紙の書籍に比べると半年遅れで刊行されていたそうで、「ONE      PIECE」などは早く続きが読みたくなるため、日本に帰った際にまとめ買いしていたのだが、重いしかさばるので苦労していたという。だが、今は単行本と電子書籍がほぼリアルタイムで出るようになったそうだ。ちなみに宮村優子はアニメは見ないそうである。アニメを見ていると、声優さんがスタジオで今どんな作業をしているのか、スタッフがどう工夫しているのかがわかって映像が浮かんでしまうため、集中できないそうである。一種の職業病である。
なお、宮村優子が遠山和葉役で出演している「名探偵コナン」の最新映画が来月公開されるそうである。

早希ちゃんへの3つ目の質問。「他の芸人との関係」。後輩芸人の堀川絵美が「エヴァンゲリオン」もろくに見たこともないのに、綾波レイならぬデブ波レイをネタでやっているのだが、「知れ渡る前にやめさせます」と言う。吉本の女芸人は毎年ひな祭りの日に、今いくよ・くるよ師匠が開催するひな祭り会を開いているそうで、いくよ師匠が他界してからは、くるよ師匠一人が主催しているという。そこで、シルク師匠から、「癌にならない食事法」を伝授されたそうで、3つのものを避けると良いと言われたのだが、宮村優子が3つとも当ててしまったため(よく知られている種類のものである)「あれ? 私だけ知らんかったんかな? 結構みんな、『おー!』て言ってたのに」と訝しむ。まあ、フードファディズムになりかねないので信じるかどうかは自分で決めるしかない。
川絵美はまだ芸歴が浅いので、まだくるよ師匠に存在を知られておらず、ひな祭り会に呼ばれたことはないそうである。早希ちゃんは「(「くるよ師匠に)知られる前に(レイを)やめさせます」とも言う。

USJのエヴァンゲリオンに行ったことがあるかどうかという質問もある。みやみーは昨日、USJに行ってエヴァを体験してきたそうだ。早希ちゃんもみやみーに「一緒に行こう」と誘われたのだが、営業の仕事が1本入っていて行けなかったという。やはり職業病が出て、アスカのセリフが聞こえるとアスカモードになってしまい、ついセリフを口にしてしまうそうで、隣のお客さんは双方向からアスカの声がするため、「???」状態になっていたという。ちなみに、USJでは宮村優子本人だとは気がつかれなかったそうで、エヴァグッズを3つ買ったのだが、「『エヴァンゲリオン』、お好きなんですね」と笑顔で言われたとのこと。まさか本物の声優が目の前にいるとは誰も思うまい。

ここで、ラスト。「好きなタイプは?」を無理矢理「好きなたこ焼きのタイプは?」に変えて、舞台上にたこ焼き器が置かれ、タコではない具を入れたたこ焼き作りが始まる。宮村優子が「音楽はないのかな?」と言ったためBGMがかかるが、音源を用意していなかったため、たこ焼き作りには不似合いなビーチボーイズの「サーフィンU・S・A」が流れていた。
「よっちゃんイカ」、「サクランボ」、「グミ」(以上、みやむー持ち込み)、「ミニトマト」、「フリスク」、「グミ」(以上、早希ちゃん持ち込み)を入れたたこ焼き。当然、美味しくなるはずはないのだが、宮村優子は「まずいけど平気」だそうである。
ラストと言いつつ焼いている間に、宮村優子が質問に答えることになった。「これまでで一番笑ったことは?」。宮村優子はお笑い好きだそうで、和牛や銀シャリがお気に入りだという。大阪吉本と東京吉本の芸人についてであるが、テレビを見ていても東京の芸人なのか大阪の芸人なのかは意識せず、大阪で見ていた芸人が東京のお笑い番組で見ないのに気づいて、「ああ、大阪の芸人さんだったんだ」と思う程度だそうだ。
ちなみにアニメ芸人は大半が東京在住で、大阪にいるのは早希ちゃんと南斗水鳥拳のレイ(がっき~)だけだそうである。「レイ違い」だそうだ。なお、二人とも苗字は稲垣である。


第2部までの間、時間を潰さねばならないのだが、弁天町というのは本当にオーク200しか行く場所がない。取り敢えずオーク200にあるカフェで昼食を食べ(カサブランカという店名なのに、ギリシャのミコノス島の絵が飾ってあるという、コンセプトのよくわからない店であった)、書店やら映画のポスターが飾ってあるコーナーやらを見て回る。弁天町付近も少し歩いてみたのだが、「危険」という感じはしないものの、「夜はまずそうだ」という雰囲気がある。よく似た雰囲気の他の場所は思いつかないが、敢えて挙げるなら西池袋に少しだけ近いかも知れない。
第2部「みやむー&さきの部屋~夜はわいわいゲームの回~」。早希ちゃんが青、みやむーが赤のリボンを頭の上につけて白と黒を基調とした衣装で登場。早希ちゃんが、「宮垣です」と挨拶し、みやむーが「稲村です」とボケる。宮垣さんは多分、沖縄の苗字だし、稲村さんは野球しなきゃいけない。まあ、どうでもいいが。

まず、1回目のトークの続きをということになるが、実際は続きではなく、新たに書いたもので、二人とも内容は知っている。まずは、「Twitterにアップ」。ということで予めスマートフォンを用意していた宮村優子が、早希ちゃんとのツーショットを客席をバックに撮る。

早希ちゃんには、「一番好きなネタは?」という質問。早希ちゃんは最近では「キャバ嬢になったバタコさん」が気に入っているそうである。私もフルバージョンは一度しか見たことがないが、あれは良い出来だった。

構成作家の長澤さん(長澤喜稔)のMCで、まず弁天町の話になるが、オーク200にはラジオ大阪のスタジオがあるため、宮村優子は収録でよく来ていたそうである。また10年前に世界館で行われたお芝居に出演したこともあるそうだ。そして早希ちゃんはというと、以前、弁天町に住んでいたことがあるという。吉本に入ってすぐの頃に、吉本からの紹介で住むことになったのが弁天町だったのだそうだ。確かに梅田に出るには便利かも知れないけれど、なんで選りに選って弁天町なんだ? 比較的賑わっている南口側ではなく、世界館のある北口側だったそうで、治安が悪く、痴漢によく遭ったそうである。ただ、当時は世界館の存在は知らなかったそうだ。
早希ちゃんは、タクシーで会場入りしたのだが、タクシーの運転手さんも、「本当にここでいいんですか? 本当にいいんですか?」と不思議がっていたそうである。

なお、隣の倉庫では怪談の朗読公演を行っていたようだ。第2部が始まる直前に気がついた。第1部と第2部の間は3時間ほど開くため、早く知っていれば聞きに行けたのに。


最初のゲームは、早希ちゃんの提案による「勝手に替え歌バトル」。お題に沿った内容をメロディーに乗せて歌うというもの。お題は箱の中に入ったものを引いて決める。

まずは、早希ちゃんが、「怒りを込めて」というタイトルで、「オリーブの首飾り」のメロディーに乗せて即興の歌詞を歌う。いつの間にかマジックのBGMになってしまっている「オリーブの首飾り」であるが、「cha-cha-cha」で知られる石井明美が歌詞付きのものを歌ったことがある。
早希ちゃんの替え歌は、「貸したマンガ 返ってきたけど、ポテトチップの染みと鼻くそ付いている」。「HUNTER×HUNTER」を貸したら汚されて返ってきたそうだ。ただ、本というのは一度貸すと、「又貸しした」ということになって結局戻らないことが多い。戻ってきただけましかも知れない。
みやむーの曲は、吉本新喜劇のテーマ「Somebody stole my gal」。「とにかく、がめつくお金を」というお題。早希ちゃんは「なんで倒置法?」と言っていた。
宮村優子は、「今日の舞台のギャラは幾らかな?」という風な歌詞をつけて歌う。今日の公演のギャラが幾らなのかはまだわからないそうだが、吉本だけでなく他の事務所もそのようである。芸能関係は基本的に後払いなので、「あれ? これなんのお金かな?」という出演料が忘れた頃になって振り込まれていたりするという話も聞いたことがある。

早希ちゃんの2曲目は、「古畑任三郎」のテーマを、「小さな幸せを語るように」。
「散歩してたら小銭を拾った。それ猫を飼ってついでにハムスターも」という、もう拾ったのが小銭ではあり得ない状況になる。
実は、「古畑任三郎」のテーマは、三谷幸喜本人が歌詞(というほどのものでもないが)を書いて、歌われたことがある。「古畑任三郎」が放送された日の深夜に放送されていたミニドラマ「巡査・今泉晋太郎」(主演:西村雅彦)においてである。劇中では古畑任三郎本人の作詞という設定で、芳賀刑事役の白井晃と、桑原技官役の伊藤俊人が歌っていた。
「ダ・ダ・ダダ・ダ・ダ・ダダ! 俺の心迷わず 光るデコの輝き 愉快な奴さ 今泉は 可愛い奴さ 今泉の慎太郎」というもので、実は西村雅彦も加えた3人でレコーディングが行われ、CDにもなっている。ニコニコ動画にミュージカルバージョンが上がっているようだ。その6年後、伊藤俊人は40歳の若さで他界することになる。結婚したばかりでこれからという時だったのに。それを思い出して少し切なくなる。

みやむーへの2曲目は、「恋愛について」。曲は「エレクトリカルパレード」。前奏が長いので、みやむーはいったん上手にはけて踊りながら登場し、「彼氏を見つけても結局は離婚する」と歌って、客席のみならず舞台上の二人にも受けまくりであった。

早希ちゃんの3曲目は、「寂しさを込めて」。曲は「笑点」のテーマ。「いつか私のところに王子様が現れる。そういう私33歳。そして結局離婚する」というものであった。

みやむーへの4曲目は、「悲しい感じで」。曲はチャルメラ。えーと、これも離婚ネタなのですが多分、書いたら駄目です。

判定は客席からの拍手の大きさで決まるのだが、みやむーの圧勝。早希ちゃんも「あの(離婚)ネタには勝てない」と言っていた。


続いては、遠山和葉でしりとり。遠山和葉が言いそうなセリフでしりとりを行う。まず遠山和葉を実際にやっている宮村優子からスタートするのだが、早希ちゃんはみやみーの声に聞き惚れてしばしボーッとしており、長澤さんに突っ込まれていた。だがその後、「ロウソクに火つけて頭に蝋垂らしたろか」や、「頭かち割って割り箸つっこんだろかい」と二人とも遠山和葉から遠い謎のSキャラになってしまい、長澤さんからストップがかかる。
今度は「兄を慕う妹キャラ」という設定。「火垂るの墓」の節子や「クレヨンしんちゃん」のひまわりを出して、早希ちゃんの方が拍手が大きく、1勝1敗となる。


二人による最後のゲームは、アスカのセリフ当てクイズ。「新世紀エヴァンゲリオン」ももう20年以上前のアニメなので、アスカの声を担当した宮村優子本人も発したセリフの内容は覚えていない。早希ちゃんはちゃんと覚えていたり、覚えていて敢えてボケに走ったりしていた。宮村優子はそもそも当てる気がないが、それでも発表された正解は読み上げる。本人の声なので、本当の本物になる。忘れているセリフでもニュアンスはすぐにつけられるようだ。

今度は遠山和葉のセリフ当て。客席に和葉のコスプレをした女の子がいたので、その子も舞台に上がって、セリフを当てることにする。コナンと和葉が対決したときのセリフだそうである。早希ちゃんもみやむーもボケに走っていたが、コスプレをした女の子は流石というか、ちゃんと当てていた。


ラストは、おみくじどら焼きを購入して大吉を当てた人、3人にステージに上がって貰い(ちなみにラムネも売っていて、パッケージには宮村優子が詠んだ川柳と、早希ちゃんが詠んだ、種田山頭火や尾崎放哉のような自由律が載っている)、「いっせーのでアニメキャラゲーム」を行う。例えば、「いっせーの、か」で親指を4人が上げた場合、「か行」の4つめ、つまり「け」で始まるアニメキャラを挙げられたら正解である(「け」で始まる有名なアニメキャラというと、「ケンシロウ」かな?)。
      勝負は1回切り。宮村&稲垣チームとお客さんチームに分かれての対戦である。長澤さんは、「いっせーの、あ」と言う。親指を上げたのは早希ちゃんだけ。ということで、「あ」で始まるアニメキャラ。宮村優子が、「アスカ」と自分のキャラを言って、宮村&稲垣チームの勝利となった。

| |

« 観劇感想精選(206) 「お気に召すまま」 | トップページ | 連続テレビドラマ「カルテット」のためのメモ集成 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 笑いの林(85) 「宮村優子×桜 稲垣早希プレゼンツ in 大阪!」:

« 観劇感想精選(206) 「お気に召すまま」 | トップページ | 連続テレビドラマ「カルテット」のためのメモ集成 »