史の流れに(3) 京都文化博物館 「戦国時代展」
京都文化博物館で現在行われているのは、「戦国時代展」。文書、日記、刀剣、鎧、絵図、屏風絵、肖像画などが展示されている。
まずは江戸城主であり、歌人としても知られる太田道灌の書状から展示は始まる。
足利将軍家が細川氏と六角氏に命令をしたことがわかる文書が展示されているのだが、本文には「六角」ではなく、「佐々木」と記されており、苗字ではなく氏(本姓)が用いられていたことがわかる(六角氏は佐々木源氏の流れである)。
織田信長、豊臣秀吉、徳川家康という天下人三人の発した文も展示されている。
昨年の大河ドラマは「真田丸」だったということで、真田氏の六文銭の旗や真田昌幸が使ったといわれる法螺貝などが展示されているほか、真田家の城として有名になった岩櫃城の絵図(珍しいことに立体図になっている)などもある。
城の図は他に、小谷城、吉田郡山城、そして大内氏の城下町である山口と後北条氏の城下町である小田原の絵図もある。
剣豪将軍としても知られる足利義輝の肖像画も展示されている。桐の紋が入った短刀を差しているのが確認出来た。
武田信玄の肖像画もあり、よく見かけるものとは異なるのだが、信玄の弟の筆によるものだそうである。こちらの肖像画の信玄は容姿は余りパッとしない。
武田信玄と上杉謙信が戦った川中島合戦図屏風も複数ある。いずれの絵でも穴山梅雪は目立っている。
小田原北条氏(後北条氏、北条氏)五代の肖像もある。後北条氏の初代である北条早雲(伊勢新九郎守時。早雲本人は北条を名乗ったことはないそうだ)は、伊勢氏の出だが、この伊勢氏は足利将軍の政所執事であった伊勢氏の流れであることが有力視されるようになっており、そうだとすると相当な名門の出ということになる。
上杉家文書が展示されているのも興味深く、上杉輝虎、武田晴信(信玄)、今川氏真、北条氏康・氏政連署、伊達輝宗、佐竹義重などの筆跡を知ることも出来る。
私自身が、「ひょっとしたらこの人が戦国最強なのではないか」とも思っている尼子経久の肖像画を見ることが出来たのも嬉しかった。
| 固定リンク | 0
コメント