「都をどり in 春秋座」2017年4月3日
祇園甲部の都をどりは、その名の通り祇園甲部歌舞練場で毎年行われているのだが、今年は祇園甲部歌舞練場が耐震対策工事で使えないため、井上八千代が教授を務める京都造形芸術大学内にある、京都芸術劇場春秋座で行われることになった。
1日3回公演で、午後4時30分開演の回が、その日の最終公演になる。
これまで、先斗町の鴨川をどり、祇園東の祇園をどり、宮川町の京おどりは観ているが、一番の老舗である都をどりは観ていなかった。何故といっても大した理由があるわけではなく、たまたま観る機会がなかったのである。
ただ、場所を変えての都をどりは今後いつまたあるかわからないし、春秋座には歩いて行けるということで、観に行くことにした。
毎年テーマを決めて行われる都をどりであるが、今年は春秋座が洛北にあるということで、「洛北名所逍遙(そぞろあるき)」という題で、「置歌」(今年はこれから演じられる洛北の光景が歌われる)、「貴船川床納涼」、「鞍馬山牛若丸兵(いくさ)修行」、一乗寺にある「圓光寺錦紅葉」、大原の「寂光院懐旧雪」といった演目が上演される。最後は洛北ではなく、「甲部歌舞練場盛桜」である。
「置歌」、「貴船川床納涼」と純粋な踊りが続くが(「貴船川床納涼」では蛍が舞うという演出がある)、「鞍馬山義経兵修行」には筋書きがある。鞍馬山で修行している牛若丸(里美)を母である常盤御前(孝鶴)が訪ね、「父親の義朝の敵を必ず討つように」と告げる。常盤御前が去ると、鞍馬の天狗がやって来て、牛若丸に勝負を挑む。牛若丸の腕に感心した天狗達は牛若丸に秘伝の兵法を授けるというものである。
「圓光寺錦紅葉」の舞台となる圓光寺は、春秋座から徒歩15分ほどのところにある臨済宗の名刹。開山は徳川家康であり、家康公の名前は謡に登場する。
「寂光院懐旧雪」は、建礼門院徳子が主人公。大原寂光院に閑居している建礼門院徳子(まめ鶴)が、高倉天皇(そ乃美)と過ごした日々(懐旧の平徳子を舞うのは豆千鶴)を懐かしむというものである。
ラストの「甲部歌舞練場盛桜」は、人海戦術で華やかに決めた。
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