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2017年6月 2日 (金)

笑いの林(90) 桜 稲垣早希単独ライブ「【閲覧歓迎】 桜 稲垣早希売れる気まんまん補完計画 【R12】」

2017年4月30日 新宿シアターモリエールにて

午後7時30分から、新宿シアター・モリエールで、「【閲覧歓迎】 桜 稲垣早希売れる気まんまん補完計画 【R12】」を観る。桜 稲垣早希の約3年ぶりとなる単独ライブである。今回は東京公演1回のみで、他の地域での上演はない。
乗り打ちであるため、開場時間が10分ほど押す。

上手と下手に垂れ幕。下手の垂れ幕には、Wikipediaから拾ってきた早希ちゃんのプロフィールが書かれている。実はそのうちのいくつかは私がWikipediaに記載したものだったりする。どうでもいいことだけれど。

まずはオープニング。今日の出演者は全員、舞台上手から登場する。早希ちゃんはオーバーオール姿で登場。「約3年ぶりの単独公演ということで、3年前はまだ十代だったんですけど」と嘘を言い、「ヨシモト∞ホールで、ドラゴゲリオンという二人のコントをやっているんですけれど、今日は一人でやりたいことを全部詰め込んだライブにしたいと思います」と抱負を語る。そして、オープニングの曲を作詞・作曲してプロの編曲家にアレンジして貰ったものを映像で流すと伝える。
だが、機械トラブルで映像も音も流れない。ということで、コーナーのMC担当である宮戸洋行(GAG少年楽団)が登場して繋ぐ。
OKが出たのでオープニング「ミラクル芸人サキラブリー」。アニメ映像付き。歌詞は戦隊ものをイメージしたもの。メロディーはアニソン風だがメロディーラインに不自然なところはある。早希ちゃんはミュージシャンではないので、それは仕方ないだろう。歌は結構上手い。


最初のネタは、コント「YouTuberサキキンのYouTuber計画」。早希ちゃんの妹という設定のサキキン(早希ちゃんは長女ではあるが、お兄さんが一人いるだけの末っ子であり、妹も弟もいない)がYouTuberになって楽して儲けようと図っている。はじめしゃちょーのYouTubeサイトが炎上しているというので、サキキンも駆けつけてみる、ただ罵詈雑言ばかり書かれているため、「自分だけ応援のメッセージを書いたら、はじめしゃちょーと縁が出来るかも知れない」と考えたサキキンはその通りにする。
さて、サキキンのYouTubeであるが、トータルの再生回数は16回だけ。メッセージも、「なにがやりたいのかわからない」「ブス、死ね!」という悪口ばかり。「これが『死ね!』じゃなくて『殺してやる!』なら脅迫罪で訴えられるのに」と言うサキキンだがそうしていても仕方がないので、新たにアップするYouTubeネタのプレゼンをして、生放送を行う。「ペヤングとペヨングを混ぜて食べてみた」、「力士と結婚してみた」(早希ちゃんの親友で、今は佐ノ山親方夫人である小泉エリにちなむネタ)、「シルク姉さん厚着させてみた」、「浅田真央をスケートに戻らせてみた」、「北方領土取り戻してみた」。サキキンはハローページでプーチン大統領を探すが、当然ながら見つからない。
そこでお風呂が沸いたと機械の声がする。サキキンが先に入るつもりなのだが、母親が入ろうとしたようで、サキキンは母親を罵り始める。だがまだ生放送を終了させていなかった。
「こんな私が気に入った人はチャンネル登録お願いしまーす!」
村上春樹の小説に「おがみどり」さんという方が出てくるものがあるのだが、それを思わせる内容だった(早希ちゃんは「おがみどり」さんは知らないだろう)。
かなり説明ゼリフが多いのだが、3分の2ぐらい減らしても観客は着いて来られると思う。本当にR12の子達には内容がわからなくなるかも知れないけれど。


映像。早希ちゃんが綾波レイのコスプレをして、綾波レイがYouTuberになったら、というネタ。綾波レイは、「パックマン」、「スーパーマリオ」、「ストリートファイター」などに挑戦。「エヴァ」の名台詞を入れながら、無表情でプレーしていく。やり方がわかっていないという設定だったり、急に上手くなったりする。
無表情な綾波レイだが、ラストでは早希ちゃんも少しだけ顔が笑っていた。無表情に徹するのは難しいだろう。


宮戸洋行をMCに迎えてのコーナー。有名YouTuberであるデカキンとはいじぃがゲストとして登場。ちなみにデカキンは、昨日、足を滑らせて靱帯損傷の怪我をしたそうで、一応、松葉杖を持って舞台に登場した。
お題が書かれたカード2枚を引いて、その2枚に書かれたとおりの映像作品を製作したYouTubeにアップするというもの。

まずは早希ちゃん。「北朝鮮ニュースキャスター」と「カレー」と書かれたカードを引くが、スタッフが出て来て宮戸に耳打ち。ゴールデンウィークということでカレーの出前が不可能になったとのこと。そこで1枚引き直し。「バルーンアート」と書かれたカードである。バルーンアートは早希ちゃんの特技の一つなのだが、宮戸もゲストの二人もそれを知らないようで、早希ちゃんの手際が良いことに驚いていた。
青いバルーンでキャベツ頭のようなものを作った早希ちゃんは、赤いバルーンをそれに絡ませる。作りながらインチキ朝鮮語も喋るのだが、最初こそ北朝鮮のニュースキャスターらしい喋り方だったが、段々、片言の日本語で喋る中国人のようになってしまった。
青い風船は北朝鮮のニュースキャスター(そうは見えないのだが)、赤い風船は抱えた爆弾だそうだが、過激すぎるのでアウトということになった。

はいじぃが引いたのは、「超カワイイ猫」と「タバスコ飲み」。撮影は早希ちゃんが担当する。
はいじぃは自身が猫になって、デカキンと戯れたりしていたが、当然、タバスコを発見し、コップに注いで一気飲み。はいじぃはむせたが、なんとかなった。

デカキンのネタであるが、これは本人が「表に出せない」ということなので、書かないでおく。


映像。サキキンが、姉がやった「関西縦断ブログ旅」を真似て、「関西横断ブログ旅」を行う。ただ移動は車、サイコロは1の目が100円だが、2が1000円、3が3000円、4が4000円、5が5000円、6が1万円と大甘のルール。しかもサイコロはサキキンが振りたいときに振れる。
サキキンは性格最悪で、「関西縦断ブログ旅」を弄びまくるが、これは早希ちゃん本人だから出来ることでもある。結局、単にUSJに遊びに行くだけになってしまう。


続いては早希ちゃん初挑戦となる落語。落語家は羽織を羽織って登場するが、早希ちゃんは羽織の代わりにカーディガンを羽織っている。アスカ、シンジ、レイの3役を演じ分ける落語。「エヴァンゲリオン」シリーズの概要を述べて、映画が2012年を最後に制作が止まっているということを語ってからカーディガンを脱いで、エヴァの3人のセリフに入る。
アスカは使徒を倒す毎にお金が入ってくる歩合制だそうで、使徒がやって来ないのでお金にならないと嘆いている。そこで、振り込め詐欺を行おうと提案、シンジは、「駄目だよ、そんなの! そんなことをするぐらいなら死んだ方がましだよ」と言ったところでレイが「あなたは死なないわ。私が守るもの」。アスカはシンジに電話を掛けさせる。シンジが「なんて言えばいいの?」と聞くのでアスカは「同じこと繰り返すあれよ」と言うがシンジは「逃げちゃ駄目だ! 逃げちゃ駄目だ! 逃げちゃ駄目だ!」、アスカ「あんたバカぁ~?!」
そこでレイが電話を掛けることにするのだが、哲学風ポエムを朗読し始めて、アスカに「気持ち悪いじゃない! なにそれ? 宗教?」と言われる。


サキキンの「関西横断ブログ旅」2。ミナミに出たサキキンは、パチンコで全額すってしまったり、ルイヴィトンのバッグを買うのでお金が揃うまでサイコロを振り続けたりする。そしてグルメ三昧と、徹底した駄目女が演じられていた。


石出奈々子をゲストに迎えてのコーナー、「声優っぽい選手権」。MCは引き続き宮戸洋行が務める。「ジブリに出てきそうな少女」を演じることでR-1ぐらんぷりの決勝に進出した石出奈々子。早希ちゃんは、「その手があったか!」と悔しがる。
お題が出て、宮戸がそれを読み上げるので、早希ちゃんと石出奈々子の二人は引き当てたカードに書かれたアニメのキャラになりきってそれに答えるというゲーム。

まずは早希ちゃんが「タツノコプロ」を引く。石出はなんと「エヴァ」を引き当てて、早希ちゃんを悔しがらせる。
お題は背後のスクリーンに投影される。まずは、「こんなところに突然呼び出して何?」というセリフがスクリーンに映る。早希ちゃんが手を挙げたので、宮戸がスクリーンに映し出されたセリフを読み上げるが早希ちゃんは「お仕置きだべー」でアウトになる。
「お客様、レジを通られていらっしゃいませんよね」というセリフにも早希ちゃんは「お仕置きだべー」でアウトになるが、店員が言うセリフと勘違いしてしまったようだ。石出はシンジの真似で「逃げちゃ駄目だ! 逃げちゃ駄目だ! 逃げちゃ駄目だ! もう駄目だ! 僕がやりました!」でOK。宮戸も、「皆様、石出奈々子単独ライブへようこそお越し下さいました!」と言い始めてしまう。

キャラ替え。早希ちゃんは「アニメ名作劇場」という幅広く選べるもの。石出奈々子も「藤子不二雄」でしかもFでもAでもOKという緩めの設定である。
宮戸が読むセリフは、「それでは、中継先からお知らせします」。石出奈々子は、「22世紀から21世紀にお返しします」や、しずかちゃんの真似で「キャー! のび太さんのエッチ!」でOKとなるが、早希ちゃんは、「パトラッシュ、もうすぐ死ぬよ」というお知らせしてもあんまり意味がないものでアウト。二つ目は、アルプスの少女ハイジの「クララが立った!」でなんとかセーフになった。

石出が「やなせたかし」を引き、早希ちゃんは「けものアニマル」。「このたびは、ご愁傷様でございました」というセリフに答える。石出奈々子は、「アンパンマン、きれいな顔だよ」という比較的ひねりを利かせたものだが、早希ちゃんは、「君は~アニマルなんだね」で通して、最初はOKとなるが、二度目はアウトになる。
お題は、「諦めたらそこで試合終了ですよ」。「ディズニー」を引いた早希ちゃん。哀願するような目つきをするため、宮戸もついついOKを出してしまったりする。
ラストで早希ちゃんは「ディズニーランドは閉鎖させない」と言って、説明が必要だというので宮戸が話を聞く。演じているキャラクターはミッキーで、「諦めたらそこで試合終了ですよ」と言っているのはウォルト・ディズニー。なんとなくわかりそうでいて結局わからないということでアウトであった。
早希ちゃんは、「(石出の所属事務所である)浅井企画にポンコツだってバレる」と言うが、宮戸に「え? 今までバレてないと思ってたの?」と突っ込まれていた。


「奇跡体験アンビリーバブル」が大好きだという早希ちゃん。そこで、テレビ朝日に売り込むための映像「早希ビリーバブル」が流れる。まずは、マーガレット・ベイカーという金髪の白人女性(早希ちゃんが演じている)の映像。ブラジルの雪山に墜落したセスナから一人生還したのがマーガレットである。なぜが菓子パンを20個持ってセスナに乗っていたりする。
エヤ・ウイダースという老女(これも早希ちゃんが演じている)の愛猫であるアメリカンショートヘアのキャロラインが井戸に落ちてしまう。キャロラインは助け出されたが顔が潰れてしまう(早希ちゃんの愛猫であるエキゾチックショートヘアのロンギヌスくんが登場する)。
ゾイ・ベイカーという黒髪の白人女性(マーガレット・ベイカーとの関係は不明)は、UFOの話をするのだが、UFOはUFOでも日清焼そばU.F.O.(うまい、太い、大きい)で、後乗せスープを先に入れるという失敗をしてしまい、湯切りの際にスープごと流してしまってパサパサの味になったというものであった。
稲垣早希本人も登場するのだが、開き直った貧乳ネタであった。


続くコント。今度は早希ちゃんは白人の女性に扮する。金髪のカツラを被り、黄色のドレスを着ている。
女性はパチンコ、パチスロ狂い。寝坊してしまって焦るのだが、それは朝一からパチンコやパチスロの通うためなのだった。パチンコ店に着いた女性は「良く出る」という角の台を占拠するために嘘を付いておじさんにどいて貰う。それでもなかなかお金が貯まらないので、ブレスレットを高額で売りつけたりもしている。COWCOWファイナンスの牛嶋馨社長(「闇金ウシジマくん」)にも借金しているらしい。更にホスト狂いでもあり、15年も通い続けけている店があったりする。
女性はホストにブレスレットを売りつけようとして断れるのだが、「わかった。じゃあホテルで撮った写真をSNS上にばらまくから、止めて欲しかったら3万円頂戴」と坂口杏里ネタで終わる。

歌もそうだが、早希ちゃんは演技も良い線を行っているので(高校生の時に芸能事務所のオーディションに受かっているのだから素質はあるのだろう)、お笑い以外のことにも生かせそうだ。


単独ライブでピアノ演奏をするとTwitterで告知した早希ちゃん。曲目に「魂のルフラン」を選んでから、練習に励むまでの映像が流れる(これらの一部はYouTubeにアップされている)。


そしてラストのピアノ演奏。早希ちゃんは先程と同じ黄色のドレス姿である。宮戸洋行、デカキン、はいじぃ、石出奈々子もステージ上に出て、早希ちゃんのピアノ演奏を見守る。
ちなみにミスを1回する毎に劇まずドリンクを飲むことになる(最大5回まで)。
早希ちゃんが弾く「魂のルフラン」はハ調の編曲による比較的易しいものではある。途中、演奏が何度も停止したり、テンポが滅茶苦茶だったり、曲調を描く余裕も意思もなかったりしたが、予想していたよりは楽しめる演奏である。もっと練習してから聴きたかったな。
ミスは3回(テンポ等は含めずミスタッチのみ)。焼き鳥入りヤクルトを飲むことになる。「ヤクルトの乳成分と焼き鳥の脂が絡み合って変な感じ」らしい。

石出奈々子は、「早希ちゃんって、本当に変な人」と言いつつ、「ピアノ弾くときも手が震えながら真剣にやっていたりして、ファンになりそう」と述べていた。

久しぶりの単独公演ということもあり、楽しい時間を過ごすことが出来た。
 


即興○○やってみた対決!(「桜 稲垣早希チャンネル 早希TUBE」より)

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