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2017年8月18日 (金)

コンサートの記(317) 川瀬賢太郎指揮 京都市交響楽団第615回定期演奏会

2017年8月13日 京都コンサートホールにて

午後2時30分から、京都コンサートホールで京都市交響楽団の第615回定期演奏会を聴く。今日の指揮者は若手の川瀬賢太郎。京都市交響楽団とは何度か共演しているが、定期演奏会への登場は初めてである。

ヴェルディの「レクイエム」1曲勝負。京都市交響楽団は8月の定期演奏会は宗教曲を演奏するのが恒例である。合唱は京響コーラス。独唱は、小川里美(ソプラノ)、福原寿美枝(メゾソプラノ)、藤田卓也(テノール)、妻屋秀和(バス)

京響は昨年7月にもロームシアター京都メインホールで、西本智実指揮によるヴェルディの「レクイエム」を演奏しているが、残響豊かな京都コンサートホールでの演奏の方がやはり聴きやすい。


開演20分前から、指揮者の川瀬賢太郎によるプレトーク。川瀬は京響首席打楽器奏者である中山航介と共に登場。二人は私立八王子高校芸術コースの同級生だそうである。川瀬は常任指揮者を務めている神奈川フィルハーモニー管弦楽団の定期演奏会でもプレトークを行っているのだが、「一人では心細い」と思い、「京響の常任指揮者で私の師でもある広上淳一先生が複数でプレトークを行っていると小耳に挟みまして」ということで中山を連れてプレトークを行うことにしたと語る。
川瀬は、ヴェルディの「レクイエム」について、「弱音の指定が細かい。ピアニシモシモシモシモぐらいの指定がある」、「オペラの作曲家なので、音の響いていないところが雄弁」と述べる。
中山は川瀬について、「こいつ、こっち(ティンパニの方)見ないんですよ。信用してるからだと思うんですけど」、「目が合わないと思っていたら、リハーサルが終わってから『あそこのところだけどさあ』と言われて、『ああ、ちゃんと聴いてるんだ』とわかった」と語った。


今日はポディウム席の5列目の席で、「いつもよりステージから遠いなあ」と思ったが、今日はポディウムは1列目と2列目は販売しておらず、3列目からの使用であった。別にチケットが売れるのが早かったから後ろの席になったのではなかったことがわかった。


今日のコンサートマスターは客演の石田泰尚(いしだ・やすなお)。渡邊穣は降り番で、フォアシュピーラは泉原隆志。第2ヴァイオリンの首席も客演の西尾恵子が入る。独唱者はステージ前方ではなく、オーケストラと合唱の間に立つ。


京響の弦は輝かしく、金管も力強い。川瀬はジャンプを立て続けに繰り出すなど若々しい指揮であり、「怒りの日」などは打楽器を強調して大迫力の演奏を行ったが、低弦を強調しないタイプであるためか、音の重心が高く聞こえ、好き嫌いが分かれるかも知れない。「怒りの日」のトランペットのバンダは3階席のステージから遠い場所で吹かれた。
京響コーラスは充実。厚みもあり、見事な合唱を聴かせていた。独唱者の歌唱も優れていた。

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