観劇感想精選(223) 大竹しのぶ主演 ミュージカル「にんじん」
赤毛でそばかすがあるため、皆から「にんじん」と呼ばれているフランソワ(大竹しのぶ)の物語である。「出来が悪い」「駄目」などと言われ、家庭の中にあっても居場所が見つけられないにんじん。
にんじんの両親(宇梶剛とキムラ緑子が演じている)のも仲が悪く、互いが会話を交わそうとせず、結局、にんじんが間を取り持つことになる。にんじんから見れば自分よりもはるかに優遇されているように見える兄のフェリックス(中山優馬)と姉のエルネスティーヌ(秋元才加)であるが彼らは彼らで内心の葛藤を抱えていて……。
山本直純の音楽は多少古さを感じさせるが(時代を超えるのは思いのほか難しいようである)、彼ならではの「ドラマ」を感じさせる出来となっている。
大竹しのぶが少年「にんじん」を好演。中山優馬が兄を、秋元才加が姉を演じるというキャストの中で違和感がないどころか説得力のある演技と歌唱で魅せた。
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