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2017年10月 8日 (日)

笑いの林(94) 「女芸人大祭り」2017年10月3日

2017年10月3日 大阪・なんばのYES THEATERにて

午後7時40分から、大阪・なんばのYES THEATERで「女芸人大祭り」を観る。ハイヒールリンゴを司会に、吉本の女芸人が多数出演するイベント。大阪と東京で、2ヶ月に1回の割合で開催されている。今回のゲストは祇園の二人。本来は7時30分開演の予定だったのだが、機材トラブルなどのために開場開演共に10分強押す。まだそれほど売れていない女芸人達は、YES THEATERの前で手売りをしたり常連さんと話したりしている。楽しそうだが大変そうでもある。

出演は、桜 稲垣早希、ゆりやんレトリィバァ、堀川絵美、紅しょうが、美たんさん、もみちゃんズ、エトセトラ、天才ピアニスト、エルフ、みう、爛々、ペガサス、蔵留タケ、おパンプキン、ミセスマキエ、おいらがくさかだ、ポストイットπ(クレジット順)。今日は出演者が多いため、若手は持ち時間1分程度とかなり過酷な条件になっている。

司会のハイヒールリンゴは、希望の党の話をして、「小池百合子が自分よりも化粧が濃い」ため気分が落ち着くそうである。

まずゲストの祇園が登場。木﨑が、「今日は木﨑が出るというので、女芸人達のテンションが上がっちゃって」と嘘をつき、リンゴが木﨑の相方の櫻井に「これどうしたらええの?」と聞いて、櫻井は「無視すれば」と答えていた。祇園は今、M-1の予選を戦っているところ。昨年は準々決勝で敗退したそうだ。ちなみに祇園は一度、コンビを解消していて、木﨑は東京に出て様々なオーディションに参加していたそうだ。なぜかJUNONのスーパーボーイコンテストにも応募したらしい。リンゴは「スーパーボーイコンテストのミニクラス?」と聞いていた(木﨑は身長が162㎝しかない)。
ちなみにEXILEがボーカルを募集したときに、ちゃらんぽらん冨好が応募したという話をリンゴはする。「歌うまいし、踊れるかも知れんけど、いうたって、せいぜいちゃらんぽらんやで!」
かまいたちがキングオブコントで優勝したという話になり、リンゴは、「かまいたち、今、レギュラー8本やで」と話す。祇園がレギュラーを3本持っているのだが、全てラジオだそうだ。
リンゴは滋賀県住みます芸人のファミリーレストランの話をする。ファミリーレストランは滋賀県ローカルでレギュラー番組を6本持っているのだが、滋賀で6本あると、ほとんど滋賀県内から出られないそうで、東京での仕事が入った時も滋賀でのスケジュールの都合で泣く泣くキャンセルすることもあるそうだ。
前半、後半に分かれてネタとコーナーがある。

前半のネタからいくつか紹介。
美形電波芸人もみちゃんズ。今日も風変わりな格好で登場し、フリップネタ「おしりぼうや」をやる。おしりぼうやがもう一人のおしりぼうや(なんだそれは?)のファッションに憧れ、それはどこの服か聞く。もう一人のおしりぼうやは、「これはいぬの服だよ」「いぬの」。というところで、もみちゃんズが、自身の左手に大きなできものが出来ていることに気づく。「こんな大きかったら絶対悪性だよ」ともみちゃんズは嘆き、もうこんなことしていても意味がないと、フリップを破く。すると「いぬの」の「い」の右側が破れて、「しぬの」という不吉な文字になる。
しかし、実はできものは稲荷寿司で(?)、更に稲荷寿司がぱっくり割れて(??)、中から五千円札が出てくる(???)。五千円札は樋口一葉さんの方向けてくれないとなんだがわからない。
ちなみに、もみちゃんズはNSC出身ではなく弟子入り組なのだが、師匠のWヤングはもみちゃんズのネタを見たことは一度もなく、電波芸ではなく政治ネタなどをやっているものだと思い込んでいるそうだ。リンゴは、「平川さんが、うちの弟子は正統派だからいうてはったけど、格好見て、え? 思うてた」と明かす。


桜 稲垣早希。4月の単独公演でも行った、パチンコとホスト狂いの金髪駄目女を演じる。この演目は坂口杏里が元ネタなのだが、坂口杏里は先日芸能界を引退した。ということもあってかあるいは単なる時間的な問題か、ラストのあからさまに坂口杏里な部分はカットされていた。
ミュージカル調のネタであり、振り付きで踊るのだが、今日の早希ちゃんの歌の調子は今ひとつである。余りリハーサルしていないものと思われる。
「友達のケータイ壊した」といって母親から五万円ちょろまかし、更に「友達の入院費」と言ってまた五万円を受け取る。母親が相当なお人好しのようである。


紅しょうが。熊本プロレスが、「秋になって、風が涼しくなって、一人でいるのが寂しくなってきた」と言い、相方の稲田美紀が「街コンに行けば」と言うのだが、熊本プロレスは、「街から出入禁止になった」と嘆く。あらゆる街で出入になっているらしい。稲田が「逆ナンは?」と提案するが、熊本は「してる」。しかし、その仕方は、「初めまして、熊本です。行こか!」という乱暴なものである。
熊本は外国人に狙いを定めたそうで、空港のゲートに立ちはだかり、「日本にはこの女しかいないと思い込ませる」という謎の作戦を披露する。外国人には英語で、「I'm KUMAMOTO,Go!」と言うそうだ。


コーナー、「女芸人、ハイ、ポーズ」。2チームに分かれ、お題が出て、それを連想させる仕草を行い、それぞれのチームのキャプテンである祇園の木﨑と櫻井が女芸人達のポーズを見てお題が何かを答えるというもの。3秒間の暗転があり、明転する前にポーズを決める。
櫻井チームの最初のお題は「運動会」。これはコンビで協力して騎馬戦や、人間ピラミッドの最下段のポーズをして、櫻井を正解に導いた。もみちゃんズはビデオカメラを回す親御さんのポーズをしたのだが、奥に引っ込んでいたため櫻井の視界に入らず、「木﨑チームの人かと思った」と言われていた。
木﨑チームのお題は「USJ」。これを仕草で表現するのはかなり難しい。早希ちゃんはすねている女のポーズ。「せっかくのUSJデートでヒールを履いてきたのに、折れてしまってすねる女」だそうだが、そんな仕草で「USJ」を導き出せたら奇跡だぞ。
今度はお客さんにステージに上げって来て貰い、櫻井と木﨑も回答者としてそれぞれのチームに加わる。
櫻井チームのお題は「秋」。ただまあ、回答者が素人ということで、芸人達がヒントを言う。身を縮めたポーズをした櫻井は「ちょっと寒い」、左手の上に右手を置いたもみちゃんズは、「丈がもうちょっと長ければいいのに」などとヒントを言う。ただそれでも答えは出なかった。
木﨑チームのお題は「選挙」。若い男性がステージに上がり、見事正解を言い当てた。


後半のネタより。

蔵留タケ。以前はコンビで活動していたのだが、相方が引退したためピン芸人となり、キノコ芸人という肩書きで活躍している。なお、モンスターエンジンの西森に顔が似ていることを自他共に認めており、SNOWで自身と西森の顔を入れ替えたが、何も変わらなかったと話していた。
キノコの写真フリップを使っての芸。しめじは漢字だと「湿地」と書くのだが(語源由来の「占地」表記の方が一般的である)、「キノコは大体、湿った土地に生えている」と突っ込む。
紫の鮮やかな「ウラムラサキ」は「いや、全身紫!」、「ホウキタケ」→「ほうきに見えない!」と突っ込んでいく。「ウシグソコナヒトヨダケ」→「汚い! しかもこれは鹿の糞に生えるキノコ。間違ってる!」


堀川絵美。競泳用水着を着て登場。エステのモニターに応募したという設定。堀川絵美は、おデブ芸人なのだが、ボディーシェイプのコースは選ばず。洗顔や脱毛を選び、審査員達をあきれさせるという内容。「ボディーシェイプはいいです! 私、太ってないので。むくんでるだけ」
肝心のところで噛んでしまったり、落ちがありふれたものになてしまったりしたが、声は通るし、台詞回しもしっかりしている。ミュージカル「レ・ミゼラブル」のテナルディエ夫人役のオーディションを受けたりもしているようだが、舞台女優としての才能はあると思う。


ミセスマキエ。気に入らない相手に「Get away!」というネタ。「主食より先に野菜食べないととかいう女子、Get away!」という風に続くのだが、「近畿大学イベントサークル」も何故かそれだけで「Get away!」となっていた。


カープ女子芸人、おいらがくさかだ。カープのレプリカユニフォームとキャップで登場。「初心者カープ女子とベテランカープ女子の違い、そして阪神ファンにありがちなこと」というフリップ芸をやる。
初心者カープ女子は野球選手のプレーしている姿に惚れるのだが、ベテランカープ女子は選手の声に惹かれるのだという。阪神ファンが応援している理由としてありがちなのは「あいつ根性あるやろ」だそうである。
初心者カープ女子は選手のそばに近づくと、「誠也くん!」などと声を掛けるそうだが、ベテランカープ女子は選手に近寄って匂い嗅ぐそうである。野球選手はいい匂いがするのだそうだ。そして阪神ファンは野球選手に近づいて、「おい、原口! もっと練習せえ!」
野球選手がインスタグラムに焼き肉屋の写真を載せているのを初心者カープ女子はただ見るだけだが、ベテランカープ女子は店を特定してインスタライブが始まるのをずっと待つのだという。
そして阪神ファンは焼き肉店に選手がいるのを見て、「おい、焼き肉なんか食べんと、もっと練習せえ!」


ゆりやんレトリィバァ。鹿撃ち帽にマントを羽織り、シャーロック・ホームズに扮している。
ゆりやん扮するシャーロック・ホームズは、たまたま出くわした事件を解決してしまったために探偵になったと設定。今回が2度目の事件である。
「解決できない事件はない」と大見得を切るゆりやんだったが、証拠は糸くず一本だけ。当然ながら犯人はわからず、言い方を変えたり、活用を変えたりであたかも犯人がわかっているかのように振る舞うが限界はある。ということで最後は投げ出してしまう。
イギリスが舞台という設定のはずだが、殺されたのは何故かラテン系の名前であるアンドレアという人物。容疑者の一人である女性の名前はミシェルと、これまた何故かフランス系である。


コーナー、「くじ引き1対1」。リンゴが引いたくじに書かれているゲームを1対1で行い、勝敗を競うというもの。剣玉皿入れ、にらめっこ、キティーちゃんお絵かき対決、つきあった人の数告白対決、不幸自慢対決、コーラ一気飲み(なぜか300mlのミニサイズが出てきた)、手押相撲など色々な対決が行われたが、蔵留タケ、美たんさん、ミセスマキエらのいた木﨑チームが圧勝した。

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