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2017年11月 8日 (水)

コンサートの記(324) 京都フィルハーモニー室内合奏団 室内楽コンサートシリーズ Vol.64 「~フランス音楽~」

2017年11月1日 京都府立府民ホールALTIにて

午後7時から、京都府立府民ホールALTI(アルティ)で、京都フィルハーモニー室内合奏団の室内楽コンサートシリーズ Vol.64「~フランス音楽~」を聴く。

曲目は、サン=サーンスの七重奏曲、ピエルネの「パストラーレ」、グノーの弦楽四重奏曲第3番、ファラン(ファランク)の九重奏曲というかなりマニアックなものである。全曲とも私はコンサートでは勿論、CDですら聴いたことがない。そもそもCDが出ているのかすらわからない。

出演メンバーは、ヴァイオリンが岩本祐果(いわもと・ゆか)と森本真裕美、ヴィオラが松田美奈子、チェロが佐藤響、コントラバスが金澤恭典(かなざわ・やすのり)、フルートが市川えり子、オーボエが岸さやか、クラリネットが松田学、ファゴットが小川慧巳(おがわ・えみ)、ホルンが御堂友美(みどう・ともみ)、トランペットが西谷良彦(にしたに・よしひこ)、ピアノは客演の岡純子(おか・すみこ)


サン=サーンスの七重奏曲。編成は、トランペット、ピアノ、ヴァイオリン2、ヴィオラ、チェロ、コントラバス。七重奏という編成自体が珍しい。
作風はいかにもサン=サーンスらしい洒脱なものである。


ピエルネの「パストラーレ」。編成は、フルート、オーボエ、クラリネット、ファゴット、ホルンという管楽五重奏である。
フランス近代の作曲家であるガブリエル・ピエルネ。名前は比較的有名だが、作品となるとほとんど知られていない。「鉛の兵隊の行進曲」が吹奏楽のレパートリーとしてかろうじて知られている程度である。生前は指揮者としても知られていたようで、コロンヌ管弦楽団を指揮して様々な曲のフランス初演を行ったりもしている。
「パストラーレ」とは、田園という意味であるが、ピエルネの「パストラーレ」は、牧童の笛を模したオーボエに始まるメランコリックな楽曲である。


グノーの弦楽四重奏曲第3番。優雅さと悲哀が仄かに漂うような、エスプリに満ちた作品である。


ファランの九重奏曲。編成、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバス、フルート、オーボエ、クラリネット、ファゴット、ホルン。
ファランは私も初めてその名を耳にする作曲家。ファーストネームはルイーズで女流である。パリ音楽院の教授(ピアノ科)に女性として初めて就任した人だそうで、音楽界における女性の立場向上にも貢献したようである。
九重奏曲であるが、部分的には美しい旋律や和音に溢れているのだが、1つの楽章を通して聴くと冗長に感じられる。曲全体を見渡しての作品構築に関しては優れていなかったのかも知れない。それでもミステリアスな第3楽章などは興味深かった。


アンコールとしてチャイコフスキーのバレエ音楽「白鳥の湖」よりナポリの踊りからのコルネット独奏部分をトランペットに変えての演奏が行われる。


京フィルメンバーの演奏であるが、個々の技量も高く、アンサンブルもたまに怪しいところがあったが許容範囲で、フランス音楽の典雅さを上手く表していたように思う。ALTIの音響も室内楽には合っており、聴いていて気分が良かった。

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