コンサートの記(328) マキシミリアン・ホルヌング&河村尚子デュオ・リサイタル2017京都
ドイツ人のチェリストであるマキシミリアン・ホルヌングと、ドイツ育ちの日本人ピアニスト・河村尚子の共演。二人は2016年11月にロンドンのウィグモアホールにデビューしているという。
曲目は、前半が、ブラームスのチェロ・ソナタ第1番、シューマンの「5つの民謡風の小品集」、マーラーの「さすらう若者の歌」(ホルヌング編曲)、後半がブラームスのチェロ・ソナタ第2番。
マキシミリアン・ホルヌングは、1986年生まれ。ドイツのアウクスブルクの生まれで、2005年にドイツ音楽コンクール・チェロ部門で優勝して頭角を現し、バイエルン放送交響楽団に入団して第1首席チェリストとして活躍。2013年にソリストに転向している。
河村尚子は、1981年西宮生まれ。5歳の時に一家で渡独する。最初は日本人学校に通っていたが、その後自らの意思でドイツ語の学校に編入。ハノーファー国立音楽芸術大学(ハノーファー国立音楽演劇大学)大学院ピアノソリスト・コース修了。ミュンヘン国際コンクール・ピアノ部門で2位に入り、クララ・ハスキル国際コンクールでは優勝を飾る。現在はドイツ・エッセンのフォルクヴァング芸術大学の教授の座にあり、東京音楽大学ピアノ科特任講師も務めている。尚子は「ひさこ」と読むのだが、「なおこ」とも読めるため、私は勝手に「チャコ」と呼んでいる。あくまで個人的に呼んでいるだけなので、無闇に使ったりしないように。
ホルヌングのチェロは音に張りがあり、朗々と歌う。一方の河村尚子のピアノはウエットで独特の奥深さがある。
持ち味としては対照的な二人だが、相性はとても良く、息もぴったり合っている。
ブラームスにおけるロマンティシズムの表出や、シューマンの文学的味わい、そしてホルヌング自らが編曲したマーラーの「さすらう若者の歌」における表現力の豊かさなど、いずれも傑出したものがある。「さすらう若者の歌」の旋律はマーラーがその後に自らの交響曲第1番「巨人」で用いているのだが、ホルヌングと河村はチェロとピアノだけでオーケストラ並みの多彩な表現を成し遂げていた。
アンコールは2曲。まずは、クライスラーの「愛の悲しみ」。小粋な仕上がりである。
2曲目はヴィルヘルム・キルマイヤーの「フィガロのカプリース」。キルマイヤーは今年の8月に亡くなったという。曲調は現代的。二人の技術の確かさや相性の良さが感じられる好演となった。
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