KAC pafoming Arts Program 2017/contemporary Dance 共同制作「RE/PLAY Dance Edit」
日本、シンガポール、カンボジアのダンサーによるコラボレーション。まずダンサー達が登場し、横一列になった後で、一人ずつ歩み出てポージングを取るところからスタートする。基本的にダンサー達は倒れてはまた起き上がって舞うを繰り返す。
最初の音楽は、「We are the World」。これが2回繰り返された後に、ビートルズの「オブラディ・オブラダ」が流れるのだが、これが何度も繰り返される。ダンサー達の動きも、多少の異動はあるが基本的に同じことを繰り返しているようである。音楽でいえばラヴェルの「ボレロ」やミニマルミュージックの例が挙げられるが(お笑いでは西川のりおが意識しているのかどうかはわからないがミニマルの手法を取り入れている)繰り返しは案外癖になる面白さを持つものである。カラフルな衣装を着た若者達の佇まいが思いのほか様になっている。
「オブラディ・オブラダ」が終わった後で、ダンサー達が日本語や英語で会話を始める。「Re/PLAY Dance Edit」の京都公演が終わった後の楽屋での会話という設定である。彼らによると、京都は「アカデミックでインテリジェンスな場所」だそうで客席から笑いが起こっていた。「(木屋町の)アバンギルドはシンガポールにもカンボジアにもない」や「京都に、京都芸術センターがあってよかった(元ネタは「日本に、京都があってよかった」)といった京都ネタが展開される。
「We are the World」も「オブラディ・オブラダ」も音楽に乗ったダンスではなかったが、私は「コンテンポラリーダンスは音楽から独立すべき」と考えているので、むしろ望ましい。
その後、「今夜はブギーバック」(小沢健二&スチャダラパーのものではなく、女声によるカバー)、「ラストダンスは私に」(これも越路吹雪のバージョンではない)、Perfumeの「GLITTER」が流れる。「GLITTER」は3回繰り返される。この3曲では一転して音楽に良く合ったダンスが繰り広げられた。
「GLITTER」では、8ビート、4分の4拍子、裏打ちによる2拍、表打ちの2拍のいずれかでダンサーが踊っていたが、せっかくPerfume=中田ヤスタカの楽曲を使っているのだから、8分の3拍子、8分の5拍子、8分の6拍子などを使ったポリリズムのダンスに挑戦してくれればもっと良かったように思う。
歌詞とダンスに特に相関性はないと思われるが、ラストシーン(ダンサー達は全員倒れたまま)には「ラストダンスは私に」がもう一度流れた。
一言でいうと、「ポップ」なダンス公演であった。
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