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2018年1月31日 (水)

楽興の時(18) 「テラの音」浄慶寺20回記念コンサート

2018年1月26日 京都市中京区の真宗大谷派浄慶寺にて

京都御苑の近くにある真宗大谷派浄慶(じょうきょう)寺で、午後7時から「テラの音(ね)」浄慶寺20回記念コンサートを聴く。浄慶寺の中島浩彰住職とヴァイオリニストの牧野貴佐栄(まきの・きさえ)の共同主宰。今回は、ヴァイオリン、チェロ、ピアノ、ソプラノという編成での音楽会である。出演は、牧野貴佐栄、加治屋菜美子(ソプラノ)、森麻衣子(ピアノ)、徳安芽里(チェロ)。牧野、加治屋、森の3人は京田辺にある同志社女子大学学芸学部音楽学科の出身。森麻衣子は昨年から富山市にある桐朋学園大学院大学(昨年、仙川に生まれた桐朋学園大学大学院とは別組織である)に在籍している。徳安芽里は浄土真宗本願寺派の大学である相愛大学音楽学部出身。現在は富山市の桐朋オーケストラアカデミー研修課程に在籍しており、森と同じ学生寮で生活しているそうだ。

曲目は、第1部が、ヘンデルの「水上の音楽」より“アッラ・ホーンパイプ”、サン=サーンスの「白鳥」、モーツァルトのヴァイオリン・ソナタK.304より第2楽章、モーツァルトのモテットより「アレルヤ」、ヴェルディの「乾杯の歌」、エルガーの「威風堂々」(歌唱付きバージョン)。第2部が、ルロイ・アンダーソンの「シンコペーテッド・クロック」、エン二オ・モリコーネの「ニュー・シネマ・パラダイス」より“愛のテーマ”、千原英喜の「はっか草」、平井康三郎の「さくらさくら幻想曲」、小椋佳の「愛燦燦」


2013年に産声を上げた「テラの音」。浄慶寺では1つの季節に1回のペースで演奏会が行われており、今回で20回目を迎えた。浄慶寺の中島住職が大谷大学在学中にギターの腕で鳴らしたそうで、東本願寺岡崎別院でのコンサートに携わったのだが縁で、「テラの音」をやるようになったという。

演奏の腕というより、間近で奏でられる音楽を愉しむという趣向のコンサート。音楽とは結構残酷なもので同じ楽器であっても演奏者が違えば演奏の出来は何千倍も何万倍も異なってしまう。今、世界の第一線で活躍している演奏家は、確率でいえばそれこそ突然変異級の猛者であり、そうした傑物達と今日の演奏家を比べる方が野暮だといえる。

ミスも多かったりするのだが、そこは大学で音楽を専攻し、現在も音楽に携われている人達なのでレベル自体は保証されている(音大を出ても音楽とはなんの関係もない職に就く人の方が多数派である)。

第2部では、スクリーンに映像が投影され、「ニュー・シネマ・パラダイス」の愛のテーマが流れる中、これまでの「テラの音」の歩みが回想される。私は今日で4回目ぐらいであり、行けなかった回の方がずっと多い。金曜日の夜が多いのだが、金曜日の夜は他用が多い。

アンコールは用意されていなかったが、「乾杯の歌」がもう一度歌われた。

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