観劇感想精選(229) 「かがみのかなたはたなかのなかに」2018西宮
作・演出・出演:長塚圭史。出演:松たか子、首藤康之、近藤良平(コンドルズ)。近藤良平は振り付けと音楽も担当する。
海辺のコテージが舞台。海軍将校のたなか(首藤康之)がこの部屋で、出立を待っている。すると鏡の向こうに同じ動きをする者が。たなかは鏡に映った自分かと思ったのだが、そこにいたのは鏡のかなた(近藤良平)。やがてたなかとかなたは電話で会話したり、実際に言葉を交わしたりするようになる。
たなかがピザを頼むと、すぐに呼び鈴が鳴り、ピザ配達人が「ちぇす」と現れる。ピザ配達人の名前はこいけ(長塚圭史)。たなかはこいけをかなたに会わせようとする。するとこいけは二人になり、ピザ配達人の衣装から瞬く間の速替え。こいけは赤いドレスを着て女装し、もう一人のこいけはピンクのドレスを纏った女性、けいこ(松たか子)となる。
たなかもかなたもけいこに惚れ、とりあえすこいけが邪魔だということになるのだが……
どこともわからない場所で繰り広げられる幻想的なお話。幻想的といってもおどろおどろしものではなく、愛らしい感じである。とはいえちょっとグロテスクな発想があったりもする。
首藤康之の佇まいや、近藤良平の飄々とした雰囲気も味わいがある。女装したこいけを演じる長塚圭史の演技もコミカルで良かった。
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