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2018年2月10日 (土)

美術回廊(13) 細見美術館開館20周年企画展Ⅰ「はじまりは、伊藤若冲」

2018年2月8日 左京区岡崎の細見美術館にて

2月8日は伊藤若冲の誕生日とされている(正徳6年2月8日生まれ。西暦だと1716年3月1日。戸籍のない時代なので正確な誕生日なのかどうかは不明)。
左京区岡崎にある細見美術館では、「はじまりは、伊藤若冲」という展覧会が開催されているので観てみることにする。細見美術館の開館20周年記念展の第1回である。

細見美術館は日本画のコレクターであった細見古香庵の蒐集品の展示を基礎としており、日本画方面には強い。

水墨画においては輪郭は豪快に、細部は緻密にという特徴が見られる伊藤若冲であるが、色彩を用いた絵画では学者のような観察眼が感じられる。特に「糸瓜群虫図」などは牧野富太郎やファーブル並みの植物学者・昆虫学者の目で描かれている。富岡鉄斎がこの絵を高く評価し、自身の手紙に模写して推薦状としていることがわかる。
伊藤若冲は、錦市場の青物問屋の息子として生まれており、子供の頃から植物の観察には長じていたものと思われる。

その他では、愛らしい筆致で描かれた「鼠婚礼図」が面白い。ディズニー映画をも上回るほどの躍動感とユーモアが感じられる絵だ。

伊藤若冲の他に俵屋宗達や土佐光吉の絵もあり、日本画の面白さを味わうことが出来た。

細見美術館 「はじまりは、伊藤若冲」

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