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2018年2月 7日 (水)

これまでに観た映画より(97) 「坂本龍一 PERFORMANCE IN NEWYORK : async」

2018年2月5日 MOVIX京都にて

MOVIX京都で、音楽映画「坂本龍一 PERFORMANCE IN NEWYORK: async」を観る。坂本龍一のニューアルバム「async」のリリースを記念して、ニューヨークのパーク・アヴェニュー・アーモニーで行われた限定ライヴを収録したもの。1時間ちょっとの映画であるが、2500円とチケット代は高めである。

坂本龍一はポップな作品も数多く作曲しているが、根源的には現代音楽指向の作曲家であり、「async」ライヴも音楽とノイズの境界線を探るような曲調が選ばれている。

アンドレイ・タルコフスキー監督の架空の映画のための音楽という設定である。ピアノの弦を棒で叩いたり、こすったりするというプリペイドな技法を始め、エレキギターの弦を金属製のサックをはめた指でなぞることでノイジーな音を生んだり、アクリル板を叩くことで音を出したりと、現代音楽的な試みが行われている。天井にモニターがあり、聴衆がたびたび上方を確認する姿が見られる。映画では映像だけの部分がスクリーンいっぱいに映し出される。森の映像や、水滴が拡がるデジタル画像などである。

わかりやすい内容ではなく、料金も高いので、現代音楽の素養がない人には全く薦められないが、抵抗がない人や坂本龍一の音楽が好きな人は観ておいて損はないだろう。坂本がピアノで奏でる旋律には、彼らしいメロディアスでセンチメンタルな味わいがある。

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