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2018年4月20日 (金)

これまでに観た映画より(100) 「まあだだよ」

DVDで日本映画「まあだだよ」を観る。黒澤明監督作品。黒澤明の遺作である。「冥途」、「阿房列車」などで知られる作家、内田百閒とその教え子達の友情を描く。出演:松村達雄、香川京子、井川比佐志、所ジョージ、油井昌由樹、日下武史、小林亜星、平田満、渡辺哲、吉岡秀隆ほか。

法政大学でドイツ語教師として働きながら作家として活躍していた内田百閒だが、本が売れ、専業作家になることに決める。昭和18年のことである。2年後、米軍占領下の日本で内田は還暦を迎える。教え子達は内田の誕生日に「摩阿陀(まあだ)会」を開くことを決める。

黒澤明最後の作品であるが、評判は芳しくない。作家を主人公にしながら特にそれとは関係ない展開が続く。黒澤が何を思ってこの映画を撮ったのかはわからないが、少なくとも「面白いものを撮ろう」とはもう思っていなかったように思われる。弟子達の歌には黒澤が若かった頃の思い出が込められているだろうし、最初は男だけだった摩阿陀会に百閒の妻が参加するようになり、弟子達の娘が入り、孫まで現れというところに時の流れが感じられる。黒澤が自身のために撮ったプライベートフィルムのような映画だったのかも知れない。

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