コンサートの記(380) 「近江の春 びわ湖クラシック音楽祭」2018 ダルマ・ブダヤ 「ドビュッシーが魅せられたジャワガムラン」
2018年5月4日 びわ湖ホール中ホールにて
大ホールの向かいにある中ホールで、ダルマ・ブダヤによるガムランの演奏「ドビュッシーが見せられたジャワガムラン」を聴く。12時30分開演。ガムランに影響を受けた作曲家であるドビュッシーの没後100年を記念しての演奏である。
ダルマ・ブダヤは、1979年に大阪大学文学部音楽学研究室を拠点に結成された団体。中部ジャワスタイルの古典音楽の研究とガムランのための現代作品の創作・演奏を行っているそうである。1996年にインドネシアでの4都市公演を行い、2000年にはCDデビューも果たしている。メンバーは全員日本人(山崎晃男、林公子、安田香織、稲田直美、松田仁美、近藤チャコ、明日香郁子、板脇眞理子、平良理子、近藤美奈子、棚橋慶恵)だが、今日は賛助出演としてインドネシア人のアナント・ウィチャクソノが加わる。
曲目は、グンディン「マジュムッ(饗宴)」、クワタン「スボカストウォ(表敬)」~「アヤッアヤアン」~「スルプッ」~ドラナン「ルスン・ジュムングルン」、「クボ・ギロ」、舞踊「カロンセ(相思相愛)」(舞踊出演:リンタンシシッ)、「ムギ・ラハユ(平穏なれ)」
ドビュッシーは、1889年(明治憲法制定の年である)のパリ万博でガムランを聴いており、多大な影響を受けている。それまでの西洋音楽においては禁じ手とされた和音などを盛んに使った独自の作曲法を築きつつあったドビュッシーにとって、西洋音楽とはことなるイディオムを持ったガムランは大いに刺激となっただろう。
日本では、坂本龍一の師としても知られる小泉文夫が東京芸術大学で研究と実践を行っている。
ガムランはCDでは聴いたことがあるが、生で聴くのはおそらく今日が初めてである。青銅の独特の響き、ミニマルミュージックにも繋がる繰り返し、急激な加速と減速を特徴としている。
1889年のパリ万博の記録によると、「クボ・ギロ」という曲が演奏されたことは確からしいのだが、今日演奏する「クボ・ギロ」と同一演目なのかどうかはわからないそうだ。
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